みなし仮設住宅(読み)みなしかせつじゅうたく

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

みなし仮設住宅
みなしかせつじゅうたく

被災者が公的補助を受けて無償で入居する民間の賃貸住宅。災害救助法に基づく応急仮設住宅の一種とみなされるため、この名がついた。入居期間は原則2年であるが、激甚災害の場合は1年ごとの延長が可能である。みなし仮設住宅には、プレハブ仮設住宅より迅速に大量の家屋を低コストで提供でき、住み心地もプレハブ仮設住宅より快適であるという利点がある。一方、被災者が分散して居住することになりやすいため地域コミュニティの維持が困難であり、行政が常時被災者の状況を把握して支援を提供することがむずかしいという欠点がある。被災者への支援は、水や食料などの「現物支給」と義援金配分などの「現金支給」に分けられるが、仮設住宅の提供が現物支給であるのに対し、みなし仮設住宅の提供は現金支給の一種である。東日本大震災の被害により、2015年(平成27)1月1日時点で全国4万8524戸のみなし仮設住宅に11万6702人が入居しており、仮設住宅全体の約55%を占めている。
 もともと災害救助法は、被災者への住居提供は現物支給を原則としていた。しかし東日本大震災では、仮設住宅の建設が大幅に遅れたうえ、会計検査院がみなし仮設住宅の費用(2年間で183万円)のほうがプレハブ仮設住宅建設費(1戸当り628万円)よりも低コストであると指摘。このため、みなし仮設住宅の所管は当初、厚生労働省であったが、2013年10月から内閣府へ移り、みなし仮設住宅を積極的に活用する政策がとられている。みなし仮設住宅は、自治体が民間賃貸住宅の家主と契約したうえで被災者へ提供する方式であったが、その後、被災者自身が家主と契約した場合も認められるようになり、被災者が家主と契約するほうが主流となった。被災者は避難している都道府県へ家賃・敷金・礼金・仲介料分の費用補助を申請し、家賃補助を受けるのが一般的である。申請を受けた都道府県は被災自治体へ補助分を請求するが、実質的には国が家賃分を全額負担する。[編集部]

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

みなし仮設住宅

民間賃貸住宅を行政が借り上げ、被災者に提供する仮住まい。借り上げ型仮設住宅ともいう。熊本地震では、2017年5月のピーク時で建設型仮設住宅の3倍となる約3万5千人が利用した。今年3月末時点でも、建設型仮設住宅の入居者4640人に対し、みなし仮設は1万1543人。県内外に点在するため情報や支援が届きにくく、孤立しがちな面も指摘されている。

(2019-04-11 朝日新聞 朝刊 1社会)

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