ミヤギノハギ(読み)みやぎのはぎ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミヤギノハギ」の意味・わかりやすい解説

ミヤギノハギ
みやぎのはぎ / 宮城野萩
[学] Lespedeza thunbergii (DC.) Nakai

マメ科(APG分類:マメ科)の落葉低木。開花時に枝は湾曲してしだれ、先端地面を擦るようになる。花序は長さ約15センチメートルになり、十数個の濃紅紫色花を開く。花冠は蝶(ちょう)形で長さ約1.5センチメートル、ハギ属中最大である。一般にハギと称される種の一つで、庭園などに広く栽培される栽培植物である。本州北部と中部の日本海側の山野には、本種と非常に近いケハギが野生する。ケハギは茎や花序に立毛があるものが多く、また枝が直立または斜上するものもある。ケハギの白色花のものをユキハギという。

秋山 忍 2019年11月20日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミヤギノハギ」の意味・わかりやすい解説

ミヤギノハギ(宮城野萩)
ミヤギノハギ
Lespedeza pendulifolia

マメ科の落葉性の低木。ナツハギともいう。本州の山地にまれに自生するが,多くは庭園や人家に栽植される。ハギの仲間で最も優美なものといわれる。茎は束生し,緑色の草質で高さ1~1.8mに達し,枝先はしばしば地上につくほどに下垂する。全株に伏毛がある。葉は3出複葉で柄があり互生する。小葉は長さ3~5cmの楕円形ないし長楕円形で基部と先端がとがり,上面は深緑色で無毛,下面は淡緑色で毛が多い。初夏から秋にかけて,枝先の葉腋から総状花序を出して,紅紫色の美花を多数つける。果実 (豆果) は長さ 1cmほどの莢となる。宮城県の県花となっている。

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