日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミヤマエンレイソウ」の意味・わかりやすい解説
ミヤマエンレイソウ
みやまえんれいそう / 深山延齢草
[学] Trillium tschonoskii Maxim.
ユリ科(APG分類:シュロソウ科)の多年草シロバナエンレイソウともいう。茎は短くて太い根茎から直立し、上端に3枚の葉を輪生する。葉は菱円(りょうえん)形または平円形で、長さ、幅とも7~17センチメートル。4~6月、茎頂から細い花柄が出て、側方を向いた花を一つつける。萼片(がくへん)は3枚あり、緑色、草質で、長さ2~2.5センチメートルでややとがる。花弁は白色であるが、まれに淡紫色のもの(ムラサキエンレイソウ)もあり、ややとがった卵形で萼片よりすこし長い。雄しべは6本、花糸は平たく、葯(やく)は花糸より長い。山中の林内に生え、北海道から九州、朝鮮半島、中国、サハリンに分布する。名は、全体がエンレイソウに似ており、深山に生えることによる。
[清水建美 2018年11月19日]