ムニョス(読み)むにょす(その他表記)Alonzo Muños

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ムニョス」の意味・わかりやすい解説

ムニョス
むにょす
Alonzo Muños
(?―1620)

スペイン人のフランシスコ会宣教師フィリピン宣教中の1598年、日本渡航の命を受けて乗船したが、悪天候により失敗。来日は1606年(慶長11)、同会日本代理管区長のマニラ帰還の後を受けて実現し、大坂方面で活躍した。上総(かずさ)(千葉県)に漂着した前フィリピン総督ドン・ロドリゴビベロ)がメキシコに向かう際、その推薦徳川家康(とくがわいえやす)の使者として同行、1610年浦賀(神奈川県)からメキシコ経由でスペインに渡った。のちにメキシコの同会管区長となり、任地で没した。

[黒沢文貴 2018年2月16日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ムニョス」の意味・わかりやすい解説

ムニョス
Muños, Alonzo

[生]?
[没]1620. サンディエゴ
スペイン出身のカトリック司祭,フランシスコ会会士。フィリピンで伝道していたが,1598年日本渡航を命じられ,海難による失敗ののちマニラに帰り,修道院院長となった。慶長 11 (1606) 年来日,布教のかたわら大坂の聖堂,修道院を改築。のち江戸に上り同 15年には徳川家康の国書をスペイン国王に渡す使者として帰国。元和1 (15) 年ディエゴ・デ・サンタ・カタリナがスペイン国王の使者として来日したのはこの答礼である。のちサンディエゴ (当時メキシコ領) の管区長。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「ムニョス」の解説

ムニョス Muñoz, Alonso

?-1620 スペインの宣教師。
フランシスコ会士。慶長11年(1606)マニラから来日。徳川家康に謁見し,大坂を拠点に布教した。15年徳川秀忠の国書をもち,前ルソン総督ビベロとともにメキシコを経由して帰国。日本とメキシコの貿易斡旋(あっせん)したがみのらなかった。1620年8月20日メキシコで死去

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