日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビベロ」の意味・わかりやすい解説
ビベロ
びべろ
Rodrigo de Vivero y Aberrucia
(?―1636)
スペインのフィリピン臨時総督。日本ではロドリゴの名で知られる。メキシコで累進し、1608年フィリピン臨時総督に任命された。着任早々に、マニラで暴動を起こし捕らえられていた日本人の追放・送還を日本に通知し、同時にマニラ渡航日本船の制限を求めて、徳川家康・秀忠(ひでただ)の答書を得る。翌1609年(慶長14)メキシコに帰航途中、上総(かずさ)国(千葉県)岩和田(いわわだ)海岸で難破、乗組員50余人を失った。彼は救助されて、家康・秀忠に謁し、田中勝介(しょうすけ)(勝助)らの日本船でメキシコに送還された。家康の要請を受け日本とメキシコの貿易開始に尽力。のち1620年パナマ地方長官兼司令官、1627年パリエ・デ・オリサバ伯爵。日本滞在中の見聞を記した『ドン・ロドリゴ日本見聞録』(村上直次郎訳『異国叢書(そうしょ) 8』所収)がある。
[沼田 哲 2018年2月16日]