メレ(その他表記)Mairet, Jean

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メレ」の意味・わかりやすい解説

メレ
Mairet, Jean

[生]1604.5.10. ブザンソン
[没]1686.1.31. ブザンソン
フランスの劇作家。フランス古典劇の創始者の一人で,P.コルネイユの先駆者とみられる。モンモランシー公などの後援を得て,多数の作品を発表。コルネイユの『ル・シッド』をめぐる論争では,激しくコルネイユを攻撃した。作品はデュルフェの影響を思わせる田園劇シルビー』 Silvie (1626) ,悲劇『シルバニール』 Silvanire (30) ,三一致法則を取入れた最初の悲劇『ソフォニスブ』 Sophonisbe (34) など。

メレ
Méré, Antoine Gombaud de

[生]1607. アングレーム近郊
[没]1684.12.29. シャトードボセー
フランスの作家。 17世紀フランスの理想の人間像であったオネット・オム honnête homme (紳士) の典型で,自身その著作のなかでオネット・オムのあるべき姿を説いた。エピキュリアンでありながら誠実の徳を身につけ,話術に巧みで,社交界で活躍した。パスカル親交を結んで種々の影響を与え,ことに繊細の精神とは何かを教えた。『会話録』 Conversations (1669) などの著作がある。

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世界大百科事典(旧版)内のメレの言及

【トーナメント】より

…ヨーロッパ中世の騎士による馬上試合。11世紀中ごろフランスで始まり,初期にはおおぜいの騎士が2組に分かれて争うメレmêléeだったが,やがて1対1で長槍を使って相手を馬から落とすジョーストjoustという方法が生まれ,15世紀には領主や貴婦人の見物するなかを,試合専用のりっぱな甲冑を身につけて闘った。剣や槍の先は丸くして危険を防いだが,死傷者の出ることも多かった。…

【ハワイ[州]】より

…おもに踊手自身が採物として手に持つ音具としては,2本の硬い木片を打ち合わせるカラアウkala’au,小さなひょうたんやヤシ殻の中に小石,種子を入れた羽毛飾つきがらがらとしてのウリーウリーulī’ulī,竹筒を櫛のように細く裂いたささら竹を身体に打ちつけるプーイリpū’ili,2対の平らな石を両手に持ってカスタネットのように打ち合わせるイリイリ’ili’iliがそれぞれ特有の音色により変化に富んだ音響世界をつくり出す。こうした楽器の伴奏による歌唱メレmele,また無伴奏の朗唱風歌唱オリoliにおいては,自然知識,社会生活,恋愛,宗教に関連した歌詞が,ビブラートやグリッサンドの多用により表現力を与えられ,ひいては宇宙的な力すなわちマナを発揮すると考えられていた。多民族社会への移行とともに伝統音楽・舞踊は本来の社会機能から離れはしたものの,パフォーマンスの伝承はある程度進行し,とくに1970年代にはハワイアン・ルネサンス運動に乗って復興されている。…

【民俗芸能】より

…民俗芸能の本質の一つは,民衆の生活と密着した形で表現される総合性であるといえよう。たとえば,ハワイのメレmele,南インドのヤクシャガーナyakshagānaを例にとれば,それぞれの土地の言葉(ハワイ語,カンナダ語)を文芸的に操作した様式で変形し,それを音楽的には〈語り〉〈朗唱〉〈歌唱〉などの声楽技法に加えて,楽器の音を重ね合わせ,特定の衣装やメーキャップを施したうえで動作パターンを演じ分けるという舞踊と演劇の要素が加わってくるのである。 民俗芸能は第2に,身体性を特徴としてもっている。…

【武器】より

…また,先端にかえりのあるもの,骨で作った先端がはずれる槍もあった。棍棒には先に石を結びつけたものと,メレという羽子板のような扁平で短いもの(木製か石製)があり,後者は相手のこめかみをねらって水平になぎはらう武器であった。投鉤とは,鉤のついた骨や石を紐につけたもので,石をおもりにして振りまわして投げ,敵の隊列を攪乱した。…

※「メレ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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