ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メレ」の意味・わかりやすい解説
メレ
Mairet, Jean
[没]1686.1.31. ブザンソン
フランスの劇作家。フランス古典劇の創始者の一人で,P.コルネイユの先駆者とみられる。モンモランシー公などの後援を得て,多数の作品を発表。コルネイユの『ル・シッド』をめぐる論争では,激しくコルネイユを攻撃した。作品はデュルフェの影響を思わせる田園劇『シルビー』 Silvie (1626) ,悲劇『シルバニール』 Silvanire (30) ,三一致の法則を取入れた最初の悲劇『ソフォニスブ』 Sophonisbe (34) など。
メレ
Méré, Antoine Gombaud de
[没]1684.12.29. シャトードボセー
フランスの作家。 17世紀フランスの理想の人間像であったオネット・オム honnête homme (紳士) の典型で,自身その著作のなかでオネット・オムのあるべき姿を説いた。エピキュリアンでありながら誠実の徳を身につけ,話術に巧みで,社交界で活躍した。パスカルと親交を結んで種々の影響を与え,ことに繊細の精神とは何かを教えた。『会話録』 Conversations (1669) などの著作がある。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報