モホロビチッチ(読み)もほろびちっち(その他表記)Andrija Mohorovičić

日本大百科全書(ニッポニカ) 「モホロビチッチ」の意味・わかりやすい解説

モホロビチッチ
もほろびちっち
Andrija Mohorovičić
(1857―1936)

クロアチアユーゴスラビア王国地震学者。クロアチアのオパティヤ近くのボロスコに生まれる。プラハ大学を卒業し、ザグレブ大学教授となった。1909年に、地下浅所で発生した地震についての走時の研究から、地下約50キロメートルの所に、地震波速度が急に変わる不連続面が存在することを発見した。この不連続面については、その後、息子のステパンStjepan Mohorovičić(1890―1980)をはじめ数多くの学者が研究している。地殻上部マントルとを区別する重要な面である。この面を彼の名をとってモホロビチッチ不連続面、または略してモホ面という。

[藤井陽一郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モホロビチッチ」の意味・わかりやすい解説

モホロビチッチ
Mohorovičić, Andrija

[生]1857.1.23. オーストリア帝国,ボロスコ
[没]1936.12.18. ユーゴスラビア王国,ザグレブ
ユーゴスラビアの地震学者。プラハ大学で数学物理学を修める。このときエルンストマッハにも学んだといわれる。中学校の教師を経て 1882年王立海員学校教授となり,気象学海洋学を講じた。1909年頃,近距離の地震記録を整理して,大陸の下では平均約 35km,海洋底では 5~10kmの深さに弾性波速度の不連続面があることを示唆した。これはのちにモホロビチッチ不連続面と命名された。1898年ユーゴスラビア科学アカデミー会員,1918年同書記。

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