モメンヅル(読み)もめんづる

日本大百科全書(ニッポニカ) 「モメンヅル」の意味・わかりやすい解説

モメンヅル
もめんづる / 木綿蔓
[学] Astragalus reflexistipulus Miq.

マメ科(APG分類:マメ科)の多年草地下茎は太く、長い。茎は地上をはい、上部は斜め上に伸び、高さ30~80センチメートルになる。葉は13~19枚の小葉からなる奇数羽状複葉で、基部に1対の膜状の托葉(たくよう)がある。小葉は長卵形から長楕円(ちょうだえん)形、長さ2~5センチメートル、裏面白色の短い伏毛がまばらに生える。6~8月、葉腋(ようえき)に総状花序を出し、8~15個の蝶形花(ちょうけいか)をつける。花は淡黄色で、長さ1センチメートル余り。豆果(とうか)は上を向き、細い円筒形で湾曲し、長さ約3センチメートル。淡褐色の短い伏毛があり、縦に2室に分かれ、おのおのに多数の種子がある。北海道、本州山麓(さんろく)の草地に生える。名は、地下茎や根が繊維状に裂けやすいことによる。

[立石庸一 2019年11月20日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モメンヅル」の意味・わかりやすい解説

モメンヅル(木綿蔓)
モメンヅル
Astragalus reflexistipulus

マメ科の多年草。北海道および本州の山地に自生する。茎は長く地上をはい軟らかく,上部が斜上して 1mほどになる。葉は互生し,5~10対の小葉のある奇数羽状複葉で,小葉は長さ2~5cmの楕円形である。夏に,長さ2~3cmの総状花序をつけ,10個内外の蝶形花を開く。花は長さ 13mmぐらいで淡黄緑色をし,長さ 2mmぐらいの線形包葉をもつ。旗弁は他の弁より長い。豆果 (莢) は湾曲し,細毛があり長さ 4cmぐらいになる。近縁種が多く,ムラサキモメンヅル,シロウマオウギなど高山植物として知られるものが多い。

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改訂新版 世界大百科事典 「モメンヅル」の意味・わかりやすい解説

モメンヅル

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世界大百科事典(旧版)内のモメンヅルの言及

【レンゲソウ(蓮華草)】より

…オウギは中国産ゲンゲ属の黄蓍(おうぎ)で,薬用植物として知られている。モメンヅルA.reflexistipulus Miq.は日本固有の植物で,北海道と本州の山ろく草地に生える。高さ30~80cmの多年草。…

※「モメンヅル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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