モンステラ(読み)もんすてら

日本大百科全書(ニッポニカ) 「モンステラ」の意味・わかりやすい解説

モンステラ
もんすてら
[学] Monstera

サトイモ科(APG分類:サトイモ科)のつる植物。熱帯アメリカに30種ほど自生する。代表的な種はメキシコなど中央アメリカ原産のM. deliciosa Liebm.で、和名ホウライショウ鳳莱蕉)と称する。鳳莱蕉の名はパイナップルの漢字名鳳梨とバナナの漢字名香蕉に由来すると思われるが、不明。観葉植物として温室に植えるが、熱帯では果実を食用にするため栽培する。茎は太く、節間から太く長い気根を下垂し、また、他の樹木などに付着して茎を支え、はい上る。葉は革質で円形、長さ50~80センチメートル、粗く羽裂し、ところどころに穴がある。肉穂花序は黄白色の仏炎包(ぶつえんほう)に包まれ、長さ約25センチメートル、熟すと芳香を放ち、パイナップルやバナナのような風味がある。繁殖は、茎を2~3節に切ってミズゴケに伏せる。5℃で越冬する。

[松岡清久 2022年1月21日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モンステラ」の意味・わかりやすい解説

モンステラ
Monstera; windowleaf

サトイモ科モンステラ属の総称ラテン語で「怪物」を意味する言葉に由来する。熱帯アメリカに約 30種が分布するつる性の常緑多年草。観葉植物として数種が流通する。葉は長い葉柄をもち,互生。自生地では,太い気根を伸ばしながら,樹木や岩にからみつくように生育する。黄白色の仏炎包がつく肉穂花序はミズバショウに似るが,小さな鉢仕立てではめったに咲くことはない。ホウライショウヒメモンステラ M.adansonii(M.pertusa)が最もよく栽培される。ホウライショウは暗緑色の革質の葉をもち,側脈の間に羽状の切れ込みが入る。葉は最大で長さ約 1mに達する。ヒメモンステラはホウライショウを小型にしたような葉で,長さ 30~40cmになる。秋から春にかけては日に当て,夏は半日陰で管理する。生育適温は 15℃以上であるが,水やりを控え目にすれば,凍結しない程度で越冬する。

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