モンゾニ岩(読み)モンゾニガン

関連語 名詞

精選版 日本国語大辞典 「モンゾニ岩」の意味・読み・例文・類語

モンゾニ‐がん【モンゾニ岩】

  1. 〘 名詞 〙 ( モンゾニは Monzoni チロルの山の名 ) 火成岩の中の深成岩の一つ。カリ長石と斜長石をほぼ等量含む粗粒な岩石。角閃石黒雲母、輝石などを少量伴う。〔英和和英地学字彙(1914)〕

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岩石学辞典 「モンゾニ岩」の解説

モンゾニ岩

すでにmonzon-syeniteまたはpseudosyeniteとして知られていた岩石または岩石系列に付けられた名称[Lapparent : 1864, Cordier : 1868].コルディエルはこの岩石は長石(正長石,斜長石),輝石,雲母からなるとした[Cordier : 1868].ブレガーはモンゾニ岩を閃長岩と閃緑岩の中間の岩石として,SiO2は62~49%の間で,輝石,角閃石,雲母,橄欖(かんらん)石,石英は同量含まれているとする[Brögger : 1895].モンゾニ岩は酸性の石英モンゾニ岩アダメロ岩)から塩基性の橄欖石モンゾニ岩まで非常に広い範囲で変化し系列を作る.閃長岩と閃緑岩あるいは斑糲(はんれい)岩との中間の性質の岩石である.相当する火山岩をラタイトまたは粗面安山岩と呼ぶ.モンゾニ岩のグループには,アルカリ長石と斜長石の量がほぼ同量で,石英の量は10%以下の0~5%くらいで,准長石は含まれないか長石量の10%以下のものをいう.マフィック鉱物は10~25%くらいである[Tröger : 1935].岩石名はイタリア,チロル地方のモンゾニ(Monzoni)の地名に因む.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モンゾニ岩」の意味・わかりやすい解説

モンゾニ岩
モンゾニがん
monzonite

ほぼ等量のカリ長石 (主として正長石) と斜長石 (曹灰長石) を含み,黒雲母,輝石,角閃石などを伴う粗粒の完晶質深成岩。ときに石英を含むこともある。自形の斜長石結晶の間をカリ長石が充填したいわゆるモンゾナイト状組織が特徴的で,有色鉱物として,バーケビ角閃石,チタン輝石,エジリン輝石などを含むことがある。閃長岩と閃緑岩の中間的性質を示し,閃長閃緑岩とも呼ばれる。石英の含量が増加すると,石英モンゾニ岩あるいはアダメロ岩と呼ばれる。名称の由来は,チロル地方のモンゾニ山を構成する岩体がこの種の岩石であることによる。

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