モンテス(読み)もんてす(英語表記)Lola Montez

日本大百科全書(ニッポニカ) 「モンテス」の意味・わかりやすい解説

モンテス
もんてす
Lola Montez
(1818―1861)

イギリス出身の伝説的な舞姫。本名Maria Delores Gilbert。アイルランドリムリックに生まれる。グラナダロマ(かつてはジプシーとよばれた)の娘と偽ってヨーロッパ各地を巡り、当時のロマンチック・バレエの名舞姫ファニー・エルスラーレパートリータランチュラ』などを踊った。1846年ミュンヘンに来演、バイエルン王国ルートウィヒ1世Ludwig Ⅰ(在位1825~48)の愛人となり、政治にまで口を出したために民衆に襲撃されてバイエルンを逃れたが、これがルートウィヒ退位の原因となった。その後パリでも刃傷沙汰(にんじょうざた)を起こしたりしたが、晩年ニューヨークに住み福祉事業に専心したという。フランス映画『歴史は女で作られる』(1956)はモンテスを題材にしたものである。

市川 雅]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モンテス」の意味・わかりやすい解説

モンテス
Montez, Lola

[生]1818. リマリック
[没]1861.1.17. ニューヨーク
アイルランドの舞踊家。本名 Marie Dolores Eliza Rosanna Gilbert。「聖なる狂女」「黒衣の女」などといわれ,スキャンダル・メーカーとして有名である。 1843年生粋のスペイン人と偽ってローラ・モンテスを名のり,ロンドンやパリで踊った。 46年ミュンヘン公演の際,バイエルン王国のルートウィヒ1世に気に入られ,その妃になり政治を掌握。しかし反イエズス会政策を促し,また王の退位に関係したとされ,48年王国を追われる。のちパリで恋人の舞踊家を刺殺し,ロンドンでは重婚罪で訴えられ,数多くのスキャンダルを残した。マルチーヌ・キャロル演じる映画『歴史は女でつくられる』 (1956) は彼女をモデルにしたものである。

モンテス
Montes, Ismael

[生]1861
[没]1933
ボリビア政治家大統領 (在任 1904~09,13~17) 。在任中は鉄道建設や教育の普及に尽し,ボリビアに平和と繁栄をもたらした。任期の切れた 1911年にはイギリス駐在大使,17年からはフランス駐在大使。 20年のクーデターの際フランスに亡命,28年自由党党首として復帰。

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