日本大百科全書(ニッポニカ) 「モンパノキ」の意味・わかりやすい解説
モンパノキ
もんぱのき / 紋羽木
[学] Heliotropium foertherianum Diane et Hilger
Argusia argentea (L.f.) H.Hein
ムラサキ科(APG分類:ムラサキ科)の常緑亜高木。葉は倒卵状披針(ひしん)形または長楕円(ちょうだえん)形で長さ9~14センチメートル、多肉質でビロード状の細毛を密生し、銀白色を帯びる。名は、葉を毛の立った柔らかい綿布の一種である紋羽(もんぱ)に見立てたもの。花は白色で径約4ミリメートル。果実はほぼ球形で径約5ミリメートル。海岸に生え、鹿児島県宝島(たからじま)以南から沖縄、小笠原(おがさわら)諸島および台湾から熱帯地方に分布する。海岸の防風・防潮林、庭園樹によい。材は軽軟で容易に工作ができ、浮子(うき)などにする。沖縄では漁師の水中眼鏡の縁によく用いられる。
[島袋敬一 2021年7月16日]