アラン・フルニエの長編小説。1913年『NRF(エヌエルエフ)』(新フランス評論)誌7月~10月号に連載、同年10月ただちに単行本となる。私(わたくし)(フランソア・スーレル)の学ぶ上級学校に転校してきたモーヌは、大柄で力が強く、モーヌの大将(グラン・モーヌ)とよばれる。その彼がある日突然失踪(しっそう)し、数日後別人のように無口になって帰ってくる。道に迷った先の館(やかた)でイボンヌなる麗人に出会い、激しい恋に落ちたのだ。しかし馬車で送られたために館への道がわからない。こうしてモーヌと私の見失われた道を尋ねての冒険が始まる。情熱と憧憬(しょうけい)、友情と愛、純粋さゆえの悲劇を香り高い文体でつづったこの作品は、短命に終わった作者自身の青春の記念碑であるとともに、青春文学の一傑作と目されている。
[真崎隆治]
『水谷謙三訳『モーヌの大将』(角川文庫)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…本名はHenri Alban Fournier。1913年《NRF(エヌエルエフ)》誌に連載されたのち直ちに刊行された《モーヌの大将Le Grand Meaulnes》の作者。この小説は夢と現実の混淆した幻想的世界における青春の内的冒険を描きだし,これまでの写実的な小説と対立するまったく新しい小説として迎えられ,以後若い世代の作家たちに大きな影響をあたえた。…
※「モーヌの大将」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
一般的には指定地域で、国の統治権の全部または一部を軍に移行し、市民の権利や自由を保障する法律の一部効力停止を宣告する命令。戦争や紛争、災害などで国の秩序や治安が極度に悪化した非常事態に発令され、日本...
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加