ユダヤ暦(読み)ゆだやれき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ユダヤ暦」の意味・わかりやすい解説

ユダヤ暦
ゆだやれき

ユダヤ民族の間で使用される一種太陰太陽暦。今日のユダヤ暦は4世紀ころに制定されたもので、置閏(ちじゅん)法は19年間に7閏(うるう)月を置くものである。平年は12か月、閏年は29日の1か月を加えた13か月からなる。閏年は紀元前3761年10月7日(ユリウス暦)を起算点とする創世紀元年数を19で割って得る余りが0、3、6、8、11、14、17の年とする。平年は353日、354日、355日の3通り、閏年は383日、384日、385日の3通りの1年がある。このいずれの年になるかは、ユダヤの大祭日である過越祭(すぎこしさい)の日取りによって定まる。この祭はつねにユダヤ暦第8月のニサンの15日に行われるが、この日は月、水、金曜日にはあたらないようにする。そのため新年のティシュリ月1日は常に過越祭の日から163日後にくるように決める。1年は秋分のころの新月に、1日は夕方6時に始まる。閏月は第6月のアダルの次に置き、第2アダルとよぶ。第2、第3の月を除けば、いずれの年も各月の日数一定で29日か30日である。

[渡辺敏夫]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ユダヤ暦」の意味・わかりやすい解説

ユダヤ暦
ユダヤれき
Jewish calendar

西暦前に用いられた古代ユダヤ暦は太陰太陽暦であって,その性格の一端旧約聖書によってうかがいうるにすぎず,詳細は不明である。4世紀頃から採用された現在のユダヤ暦では,ユリウス暦の前 3761年 10月6日 11時 11.33分を暦元とし,この創世紀元の日に始る暦年を元年として数える。この暦法では,1朔望月を 29.530594日とする 19年7閏法を用い,創世紀元年数を 19で割った残りが0,3,6,8,11,14,17となる年を閏年とする。また1年の長さは,平年 (12ヵ月) では 353日,354日,355日,閏年 (13ヵ月) では 383日,384日,385日の6通りであって,月の大小は1年の日数によって違い,一定の規約に従ってこれを決める。閏年の場合には,6月 (アダル月) の次にベ・アダル月 (閏月) をおいた。

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