ユリミミズ(読み)ゆりみみず

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ユリミミズ」の意味・わかりやすい解説

ユリミミズ
ゆりみみず / 揺蚯蚓
[学] Limnodrilus socialis

環形動物貧毛綱イトミミズ科に属する陸生動物。ゴトウイトミミズともいう。体長4センチメートル、太さ1ミリメートルの紅色の細長いミミズ。イトミミズと同様に、下水側溝などの泥の中に群生して揺れているが、本種は泥がついているので、イトミミズと容易に区別できる。

 日本全土に分布し、触れると螺旋(らせん)状に小さな塊となる。アカコモモホオズキ、ボツタなどともよばれ、金魚や熱帯魚の餌(えさ)として利用されるが、これには同じ環境に混生するイトミミズやエラミミズも混じっていることが多い。ときに、苗代に発生し、発芽したばかりの籾(もみ)を傷つけ、生育を妨げることがある。

[渡辺弘之]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ユリミミズ」の意味・わかりやすい解説

ユリミミズ
Limnodrilus socialis

環形動物門貧毛綱近生殖門目イトミミズ科。体長7~10cm,体節数 100~150。体は糸状に細長く,外形イトミミズに似るが,針状剛毛がないこと,刺激を与えると泥の管をつけたまま体を螺旋状に巻いて小塊をつくることなどで区別される。日本各地に分布し,下水などの底泥中に群生している。キンギョなどの餌に用いられる。

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