ヨービネ(英語表記)Francesco Jovine

改訂新版 世界大百科事典 「ヨービネ」の意味・わかりやすい解説

ヨービネ
Francesco Jovine
生没年:1902-50

イタリア作家。モリーゼ地方出身。16歳で小学校教員となり,のちローマ大学に学んだ。処女作《仮の男》(1934)が描く都会人の退廃と不安は,短編主題などに引き継がれる。代表作《ご先祖奥さま》(1942)および《秘跡の地》(1950)は,ともに故郷の歴史と民間習俗を背景に,農民の飢えと労働と受難を,支配層の優雅倦怠エゴイズムとともに,〈壁画〉風に描き出している。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヨービネ」の意味・わかりやすい解説

ヨービネ
よーびね
Francesco Jovine
(1902―1950)

イタリアの小説家。南イタリア、モリーゼ地方の貧家に生まれ、苦学した。自伝的要素の濃い短編集『鶏泥棒』(1930)で世に出たが、やがて、満たされない愛、優柔不断で根なし草のような生活を送る都会人の退廃と倦怠(けんたい)、あるいは、隷属暴力と無秩序に支配される農民の悪を主題に、方言を取り入れた、リアリスティック筆致で描いた。代表作は『アーバ夫人』(1942)、『埋葬された羊飼い』(1945)、『秘跡の土地』(1950)など。

[川名公平]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヨービネ」の意味・わかりやすい解説

ヨービネ
Jòvine, Francesco

[生]1902. グァルディアルフィエーラ
[没]1950. ローマ
イタリアの小説家。初期の作品『かりそめの男』 Un uomo provvisorio (1934) 以来,悪癖に染まった都会と貧困にあえぐモリーゼ地方の農民とが,小説の主題となる。ほかに『アーバ夫人』 Signora Ava (42) ,死後出版された傑作『聖なる土地』 Le terre del Sacramento (50) などがあり,ネオレアリズモ文学の代表的作家の一人。

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