日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヨーロッパ審議会」の意味・わかりやすい解説
ヨーロッパ審議会
よーろっぱしんぎかい
Council of Europe
1949年、西ヨーロッパ五国同盟(ベルギー、フランス、オランダ、ルクセンブルク、イギリス)にデンマーク、アイルランド、イタリア、ノルウェーおよびスウェーデンを加えた10か国によって設けられた地域的国際組織。2009年時点で、加盟国は47か国である。審議会の目的は、加盟国の共通の遺産である理想と原則とを擁護し、かつ実現することにより、また加盟国の経済的社会的進歩を助長することによって、加盟国間にいっそう大きな統一を図ることにある。また、人権擁護にも力を入れ、ヨーロッパ人権条約締結(1950)の母体となった。実施にあたるのは、この条約によって設けられた人権委員会および人権裁判所、同審議会の閣僚委員会の3機関である。同審議会は、主要な機関として、閣僚委員会と協議総会を有し、事務局がストラスブールにある。閣僚委員会は原則として各国外相によって構成され、目的達成に必要な事項について審議し、内容に応じて加盟国に勧告を行う。協議総会の議員は加盟国の議会の定める方法によって選ばれ、その数は各国の人口に比例する。協議総会は審議機関であって、閣僚委員会に勧告を行う権限を有している。なお、日本は1996年、オブザーバーとして参加することになった。
[岡村 堯]