ラトビア語(読み)らとびあご(英語表記)Latvian

翻訳|Latvian

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラトビア語」の意味・わかりやすい解説

ラトビア語
らとびあご
Latvian

ラトビア共和国の国語であり、同共和国に約134万人、その他の諸外国に約25万人の話し手を数えると推定される言語。系統的には、リトアニア語、古プロイセン語とともに印欧語族のバルト語派に属する。東部西部、中央の三つの主要な方言に区別されるが、標準語は19世紀末から20世紀初頭にかけて、中央方言に基づいて成立した。リトアニア語とは非常に近い関係にあり、同一言語の異なる方言といいうるほどであるが、リトアニア語に比して変化が著しく、音韻形態アクセントなどの面における古い特徴がかなり失われている。ラトビア語文献は、カトリックの教義問答書の翻訳(1585出版)が最古のもので、以後次々と現れる。

[矢野通生]

『T. G. Fennell and H. GelsenA Grammar of Modern Latvian Ⅰ Ⅱ Ⅲ(1980, Mouton, The Hague, The Netherlands)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラトビア語」の意味・わかりやすい解説

ラトビア語
ラトビアご
Latvian language

レット語ともいう。ラトビア公用語で,同国を中心に約 200万の人々に用いられる。インド=ヨーロッパ語族バルト語派に属する。 1585年の『公教要理』と 86年のルター派の『教理問答書』が最古の文献。同じバルト語派のリトアニア語に比べて,古形からの変化が激しい。 19世紀末にはすでに文章語が確立発展していた。東部,中部,西部の3方言に分れ,中部方言が標準語の基礎になっている。現在はローマ字で書かれる。

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