日本大百科全書(ニッポニカ) 「リトアニア語」の意味・わかりやすい解説
リトアニア語
りとあにあご
Lithuanian
リトアニア共和国の国語であり、同共和国に約298万人、アメリカ合衆国その他の諸外国に約69万人の話し手を数えると推定される言語。系統的には印欧語族のバルト語派に属し、古代インド語や古代ギリシア語に劣らぬほどの古い特徴を保持する言語として知られている。多数の方言がみられるが、高地方言と低地方言とに二大別され、標準語は19世紀末から20世紀初頭にかけて、古形をよく保持する南西高地方言に基づいて成立した。文献は、ルターの教義問答書の翻訳(1547出版)を最古のものとするが、17世紀以降、文法書や辞典類、文学作品等も次々に現れ、リトアニア語研究の貴重な資料を提供している。
[矢野通生]
『Leonardas Dambriūnas, Antanas Klimas and William R. SchmalstiegIntroduction to Modern Lithuanian(1972, Franciscan Fathers, Brooklyn, New York)』