六訂版 家庭医学大全科 「ラヌラ」の解説
ラヌラ(がま腫)
ラヌラ(がましゅ)
Ranula
(のどの病気)
どんな病気か
典型的なものは、
原因は何か
口腔底には左右にひとつずつ
症状の現れ方
通常、左右どちらかの口腔底の粘膜が水を入れた風船のようにはれてきます。はれがひどくなると、舌が押し上げられたようになることがあります。噛んで一部が破れると、なかから粘性の高い液が出て、はれはなくなってしまいます。しかし、しばらくするとまた同じようにはれてきます。
下顎の外側がはれてくる場合は、痛みもなく何となく軟らかくはれてくるため、唾液のたまりがかなり多くなるまでわからないことがあります。
検査と診断
症状と所見で診断のつくことがほとんどですが、下顎の外側がはれるタイプのものでは、リンパ管腫というリンパ液のたまる病気などとの見分けが必要になります。検査では、嚢胞と舌下腺との関係を明らかにするためにMRIが有用です。
治療の方法
最も確実な治療方法は原因となっている舌下腺を摘出する手術です。舌下腺を完全に摘出すれば再発はありません。また片側の舌下腺を摘出しても口が渇くという問題は生じません。ほかに嚢胞壁の一部を切り取る方法もありますが、再発することが少なくありません。
病気に気づいたらどうする
口腔底やあごの下のはれに気がついた場合は、耳鼻咽喉科を受診しましょう。
谷垣内 由之
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報