ラルテ(読み)らるて(その他表記)Édouard Armand Lartet

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラルテ」の意味・わかりやすい解説

ラルテ
らるて
Édouard Armand Lartet
(1801―1871)

フランス地質学者、考古学者。サン・ギローに生まれる。1834年にオーシュで行った発掘研究をはじめとして、フランス各地の洞窟堆積物(どうくつたいせきぶつ)と化石哺乳(ほにゅう)類の研究に専念した。1860年から1865年にかけての発掘研究で、洪積世(更新世)に人類が存在したことを証明した。また1863年には化石哺乳類の変化によって、洪積世を古期、中期、新期の三つに区分している。1869年にはパリの自然史博物館の古生物部門の主任に任命された。白亜紀および第三紀の化石有尾類の専報を出版したほか、第三紀の化石サルの発見者としても知られている。クロマニョン人を発見したルイ・ラルテLouis Lartet(1840―1899)は彼の息子である。

[大森昌衛]

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改訂新版 世界大百科事典 「ラルテ」の意味・わかりやすい解説

ラルテ
Édouard Arman Isidore Hippolyte Lartet
生没年:1801-71

フランスの考古学者。1834年の,フランス南西部,ジェール県サンサンSansanの発掘以来,オーリニャック(1860)やラ・マドレーヌ(1863-64)などの諸遺跡を発掘調査して,後期旧石器時代文化研究の基礎を築いた。とくにラ・マドレーヌ出土のマンモスを刻んだ骨棒が旧石器時代に属することを明らかにし,氷河時代美術発見者の栄誉をになう。主著ペリゴールの諸洞窟》(1864)。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラルテ」の意味・わかりやすい解説

ラルテ
Lartet, Édouard Armand Isidore Hippolyte

[生]1801.4. サンギロー
[没]1871.1. セッサン
フランスの地質学者,考古学者。 1834年オーシュ近郊で化石を発見して以後,古生物学,先史考古学の研究に専念。 37年第四紀化石人類の存在を認め,古生物の化石を導入して,のちの石器時代の編年のさきがけとなる石器時代の年代区分を行なった。また,洞窟遺跡の組織的な発掘も始めた。 67年パリの万国博覧会で,彼が中心となって,初めて先史時代の遺物を展示した。 69年パリ自然科学博物館の古生物学教授。主著『西ヨーロッパの人類化石』 Sur l'ancienneté géologique de l'espèce humaine dans l'Europe occidentale (1860) 。

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世界大百科事典(旧版)内のラルテの言及

【発掘】より

…一般に土中その他に埋没して直接見ることのできない状況におかれている物件を,実見しうる状況に露出する行為をいうが,とくに遺跡において,考古学者が遺構や遺物を検出する作業行為を指すことが多い。ただしそのうちで,土地等を掘削する行為のみを発掘と呼ぶこともある。たとえば,現行の文化財保護法では,遺跡を土木工事等で掘削することを〈土木工事等のための発掘〉とし,考古学の調査を〈調査のための発掘〉と呼んで,一応この二つの行為を区別しているが,いずれにおいても〈発掘〉は土地の掘削のみを指す言葉となっている。…

【考古学】より

…物質資料を用いて人類の過去を研究する学問。明治初期から英語アーケオロジーの訳語として用いられ,当初は〈古物学〉という訳語と併存したが,まもなく〈考古学〉に統一された。アーケオロジーは古代学,古伝承を意味する古代ギリシア語アルカイオロギアarchaiologiaに由来することばである。 考古学が利用する資料は,人間の活動にかかわるすべての物的証拠である。土器,石器,家,墓のように人間が積極的に製作構築したものの痕跡はもちろん,運搬したが利用しなかった原材,製作途上で放棄された未成品,失敗品,さらに,石器製作の際に生じる石屑,食べ残しの魚骨,獣骨,木の実の殻,人畜の排泄物のような生活残滓,足跡のような無意識に残された痕跡にいたるまでが資料になる。…

【発掘】より

…一般に土中その他に埋没して直接見ることのできない状況におかれている物件を,実見しうる状況に露出する行為をいうが,とくに遺跡において,考古学者が遺構や遺物を検出する作業行為を指すことが多い。ただしそのうちで,土地等を掘削する行為のみを発掘と呼ぶこともある。たとえば,現行の文化財保護法では,遺跡を土木工事等で掘削することを〈土木工事等のための発掘〉とし,考古学の調査を〈調査のための発掘〉と呼んで,一応この二つの行為を区別しているが,いずれにおいても〈発掘〉は土地の掘削のみを指す言葉となっている。…

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