日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラルース」の意味・わかりやすい解説
ラルース
らるーす
Larousse
フランスの代表的な事典・辞書出版社。1852年、ピエール・ラルースPierre-Athanase Larousse(1817―75)が友人のボアイエPierre Augustin Boyer(1821―96)とともに開いたラルース・ボアイエ書店がその前身である。1856年に初めて小百科事典を出版、これが後の『プチ・ラルース』Petit Larousse(1905年、ラルースの甥(おい)クロード・オジェの監修でスタート)の元祖となった。「レベルを落とさずに大衆化を」というピエールの信念をモットーに創刊された『19世紀世界(万有)百科事典』Grand dictionnaire universel du XIXe siècle全15巻(1866~76、のち78、88に補遺2巻)によって、ラルースの名は世界的に有名になったが、1984年6月、経営難から情報関連会社CEP(セーウーペー)に吸収された。『大ラルース百科事典』『20世紀大事典』のほか、『フランス語大辞典』『レキシス』などの言語辞典が代表的出版物である。事典編集から派生した数々の定期刊行物、分野別専門事典なども多く出版されており、1990年代以降は電子化された事典・辞書も多数発行されている。
[矢野浩三郎]