リヒター閃石(読み)りひたーせんせき(その他表記)richeterite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「リヒター閃石」の意味・わかりやすい解説

リヒター閃石
りひたーせんせき
richeterite

ナトリウム‐カルシウム角閃(かくせん)石のうち、ナトリウムに富み、アルミニウムに乏しい鉱物で、産出はややまれである。化学組成の変化に富み、同定化学分析によらなければならない。とくにウインチ閃石winchiteや苦土カトフォラ閃石magnesiokatophoriteとは組成が連続的で、区別が困難である。日本の変成マンガン鉱床(岩手県九戸(くのへ)郡野田玉川鉱山など)から産するものはマンガンに、アルカリ火成岩から産するものはカリウムに富む。カーボナタイトから産するものは理想成分に近い。英名はドイツの鉱物学者H・T・リヒターにちなむ。

松原 聰]


リヒター閃石(データノート)
りひたーせんせきでーたのーと

リヒター閃石
 英名    richeterite
 化学式   Na2Ca(Mg,Fe2+)5Si8O22(OH)2
        (Mg>Fe2+)
 少量成分  Mn,Al,K
 結晶系   単斜
 硬度    6
 比重    3.1~3.4
 色     無,淡緑黄褐
 光沢    ガラス
 条痕    白
 劈開    二方向に完全
       (「劈開」の項目を参照)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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