リリオム(読み)りりおむ(その他表記)Liliom

日本大百科全書(ニッポニカ) 「リリオム」の意味・わかりやすい解説

リリオム
りりおむ
Liliom

ハンガリーの作家モルナール戯曲。1909年発表。ブダペストの遊び場の乱暴者リリオムの生と死を、現実と幻想ユーモア哀愁の混じり合った手法によって描いた全七場の作品である。ブダペストのウィーグ・シーンハーズ(コメディ劇場)の初演以後、ニューヨークのシアター・ギルドその他、欧米諸国の劇壇上演され、モルナールの代表作となった。日本でも、築地(つきじ)小劇場公演(1927)以来、多くの劇団によりしばしば上演された。

徳永康元

『飯島正訳『リリオム』(中公文庫)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リリオム」の意味・わかりやすい解説

リリオム
Liliom

ハンガリーの作家モルナールの戯曲。7場。 1909年ブダペストで初演。ブダペストの遊園地背景に,気のいい乱暴者リリオムの生と死を,現実と空想の交り合った手法で描いた悲喜劇。世界各国で上演され,好評を博した。日本では 26年に近代劇場によって初演され,以来,27年の築地小劇場,33年の築地座による上演 (いずれもリリオム役は友田恭助 ) をはじめとして,現在にいたるまで,いろいろな劇団によって繰返し上演されている。

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世界大百科事典(旧版)内のリリオムの言及

【モルナール】より

…若くから新聞記者をしながら,軽妙な短編を発表していたが,やがて戯曲で才能を認められる。代表作《リリオム》(1909)はブダペストの下町を舞台に民衆の哀感をテーマにした悲喜劇で,欧米諸国で上演され,劇作家として不動の地位を確立する。ナチズムの台頭により祖国を離れ,ニューヨークで客死する。…

※「リリオム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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