日本大百科全書(ニッポニカ) 「リーリエンクローン」の意味・わかりやすい解説
リーリエンクローン
りーりえんくろーん
Detlev Freiherr von Liliencron
(1844―1909)
ドイツの詩人。北ドイツのキールに生まれる(ニーチェと同年)。プロイセンの士官として、プロイセン・オーストリア戦争、プロイセン・フランス戦争に従軍。これが彼の原体験となった。素朴な軍人気質の持ち主で、狩猟を愛し、恋愛の自由を謳歌(おうか)する生活を送った。しかしそのため借金がかさんで軍隊を退き、アメリカに渡ったが、うまくいかず帰国。プロイセンの地方官吏の職を得て、30代なかばから詩作を始め、『副官騎行』(1883)で認められた。軍人的で力感にあふれ、擬音語も取り入れた感覚的な詩風には一種の新しさがあり、印象主義の詩人として若い世代の人気を集めた。
[松本道介]