日本大百科全書(ニッポニカ) 「単斜ヒューム石」の意味・わかりやすい解説
単斜ヒューム石
たんしゃひゅーむせき
clinohumite
普通、粒状で、まれに短柱状の結晶をなす。斜ヒューム石ともいう。接触変成を受けた苦灰(くかい)岩や石灰岩中に、金雲母(きんうんも)、苦土橄欖(かんらん)石などに伴ってよく産する。また、超塩基性岩中にもしばしば産する。いずれも石英とは共生しない。コンドロ石、ヒューム石(斜方晶系)、ノルベルグ石norbergite(Mg3SiO4F2)とは肉眼的に区別できない。英名は、美術品や鉱物の鑑定家で収集家であったイギリスのヒュームAbraham Hume(1749―1838)にちなんだヒューム石と同じグループであり、その単斜晶系のものという意味でクリノという接頭語がつけられた。
[松原 聰]
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