ルンビニー(その他表記)Lumbinī

改訂新版 世界大百科事典 「ルンビニー」の意味・わかりやすい解説

ルンビニー
Lumbinī

釈迦生誕の地として知られ,ネパールのタライ地方,バイラワBhairawaの西方に位置する。1896年にA.フューラーによって遺跡が発掘され,現在はネパール政府の開発計画に基づき広大な公園が整備されつつある。この地は釈迦の生涯にちなむ四大霊場の一つとして,古くから仏教徒の巡礼地となり,ルンミンデーイRummindeiの名で知られていた。アショーカ王は即位後20年目にこの地を巡礼し,釈迦の生誕の地を記念して石柱を建てている。7世紀にここを訪れた玄奘は石柱が落雷のために中ほどから折れていたことを伝えている。現在,釈迦の母マーヤーの祠堂の西側にこの石柱が残り,祠堂の南側には彼女が沐浴をしたと伝えられる方形の池がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルンビニー」の意味・わかりやすい解説

ルンビニー
るんびにー
Lumbinī

仏教の開祖釈迦(しゃか)の生誕の地で、父浄飯(じょうぼん)王のカピラバストゥKapila-vastu(迦毘羅城(かぴらじょう)、迦維羅衛城(かいらえじょう))と母摩耶夫人(まやぶにん)の郷里デーバダハDevadaha(天臂(てんぴ)城)の中間にあった園林の名。漢訳仏典では藍毘尼、嵐毘尼などと音写される。摩耶夫人は出産のための里帰りの途中、この園の無憂樹(むうじゅ)(あるいは沙羅樹(さらじゅ)とも)の枝につかまって、釈尊を右わきから出産したという。1897年にバガバンプルBhagavanpurの北方2マイル、ネパールの辺境にあるルンミンディLummindeiという村から、「釈尊生誕の地に参拝した」と記すアショカ王の碑文が発見され、この地が釈尊誕生の古址(こし)であることが確認された。遺跡は保存され、公園として公開されている。この地は1997年に世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。

[森 章司]

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百科事典マイペディア 「ルンビニー」の意味・わかりやすい解説

ルンビニー

ネパールのタライ地方,バイラワ西方にある仏教の四大霊場の一つ。漢字では藍毘尼。古代インドのカピラ城にあった林苑で,釈迦の誕生地。1896年に発掘され,現在は公園になっており,1997年世界文化遺産に登録された。アショーカ王石柱,釈迦の母が沐浴したという池がある。

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