アショーカ王石柱(読み)アショーカおうせきちゅう(英語表記)Aśoka

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アショーカ王石柱」の意味・わかりやすい解説

アショーカ王石柱
アショーカおうせきちゅう
Aśoka

インド,マウリヤ朝アショーカ王が仏法の実践と宣揚を願い,法勅を刻んで国内各地約 30ヵ所に建てた石柱。十数基が現存し,高さは 10~13m,チュナール産砂岩の一本石 (モノリス) を用い,表面を美しく研磨している。柱頭には4頭の獅子背中合せに跪坐する像や,獅子,馬,牛,象のいわゆる4聖獣のなかの1獣を刻む。柱頭頂板の表面には聖獣あるいは仏教的な装飾文を彫り,その下に蓮華意匠の鐘形部を作っている。遺品のうち,4頭の獅子を組合せたサールナート出土の巨大な獅子柱頭 (サールナート博物館) が最もすぐれている。法勅の文字はブラーフミー文字のほか,カローシュティー文字で刻まれているものもある。碑文は単に歴史的記録としてのみでなく,古代インド=アーリア語の発展段階や文字の歴史を知るうえで重要な資料となっている。

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