翻訳|roulette
フランス語のルーレrouler(回る)からきた語で,回転式賭博(とばく)盤またはその賭をいう。円盤に放射状の升目と数字をつけ交互に赤と黒で色分けし,その回転盤と並んで同じ升目と数字を記した布(ルーレットクロス)をはった台と1組になっている。賭け手がルーレットクロス上の希望する数字にチップ(賭金代りの小円盤)を置くと,クルピエcroupierと呼ばれる胴元が,回っている回転盤に小球を投げ入れる。回転が止まったときに静止した小球が示した数字によって勝負が決まる。このほか赤と黒の升目や数字と色の両方を混ぜた賭け方もある。ルーレットの起源は古代ギリシアにおいて,盾の上で剣を回して賭けたのが最初といわれ,アメリカ・インディアンやカナダ・エスキモーは,素朴な水平に回転する針を賭博用具にしている。中世ドイツでシュピールラートSpielradという円形の升目とその上を回転する針による賭博があり,17世紀のフランスで流行したオカhocaも同じ型の賭博であった。現在のルーレットの原型は18世紀のフランスで始まり,当時は回転盤の升目に数字がなく,交互にOとEが記されていたのでOEテーブルと呼ばれた。その後しだいに改良されて19世紀に現在の型になった。ルーレットは,フランス式(ヨーロッパ式)の升目は0から36までであるが,アメリカ式ではそれに00(ダブルゼロ)がある。世界中のカジノ(賭博場)に必ず設置されている賭博の一つである。
執筆者:増川 宏一
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賭(か)け事の一種。0~36までの目盛りで37等分された、すり鉢形の精巧な回転盤の中に、1個のさいころを入れ、クルピエcourpierとよばれる専門家が、速い速度で回転させ、回転盤が停止したとき、どの目盛りのところにさいころが止まるかに金銭を賭ける。なお、アメリカ式の回転盤には0の目盛りが二つあり、38等分されている。賭け方には、37分の1の確率の賭け方から、1から36までの目盛りが順次に赤色と黒色とに色分けしてあって(0の目盛りは緑色か白色)、いずれの色の目盛りにさいころが止まるか2分の1の確率の賭け方まで、12種類ある。
ルーレットの起源は明らかでないが、フランス語で「回る車」の意味で、矢印を回転させその停止する位置によって賞品のよしあしを決める幼稚なくじ引きの用具が、しだいに改良されて、複雑で精巧な現在の回転盤が完成したと思われる。16~18世紀に世界的に流行し、ヨーロッパの上流社会では招宴の接待の方法として、社交的にルーレットを行う風習が生じたほどであったが、その後弊害を生じたため、19世紀初めごろから禁止する傾向が強まり、現在はほとんどの国が禁止している。しかし、アメリカのラス・ベガスやモナコなどのカジノ(公認賭博(とばく)場)には、その中心的な設備として備え付けられている。日本には第二次世界大戦後、一部の外国人が持ち込んだことがあり、その後も暴力団などがときどき秘密裏に設備して、客を集めて賭博場を開帳することがあるが、いずれも警察に摘発されている。現在は一部の会員制の団体が、娯楽の一つとして研究しているほか、一般には行われていない。
[倉茂貞助]
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…これは直角双曲線x2-y2=2a2の原点Oに関する垂足曲線である(図12)。(6)定曲線Cに接しながら,その上を他の曲線Γがすべらないでころがるとき,Γに対し固定された点Pの描く曲線をルーレットrouletteまたは輪転曲線といい,Cを底線,Γを転曲線,Pを極という。底線が直線で,転曲線が円周であるルーレットは,極が転曲線上にあるときにはサイクロイドcycloidまたは擺(はい)線,そうでないときにはトロコイドtrochoidと呼ばれる(図13,図14)。…
…これは直角双曲線x2-y2=2a2の原点Oに関する垂足曲線である(図12)。(6)定曲線Cに接しながら,その上を他の曲線Γがすべらないでころがるとき,Γに対し固定された点Pの描く曲線をルーレットrouletteまたは輪転曲線といい,Cを底線,Γを転曲線,Pを極という。底線が直線で,転曲線が円周であるルーレットは,極が転曲線上にあるときにはサイクロイドcycloidまたは擺(はい)線,そうでないときにはトロコイドtrochoidと呼ばれる(図13,図14)。…
※「ルーレット」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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