レギュラシオン(読み)れぎゅらしおん(その他表記)régulation

日本大百科全書(ニッポニカ) 「レギュラシオン」の意味・わかりやすい解説

レギュラシオン
れぎゅらしおん
régulation

ロベール・ボワイエRobert Boyer(1943― )を中心に、1970年代にフランスでおこった新経済学派概念。「調整」と訳せよう。その目ざす体系は、なぜ、ある資本主義経済成長構造危機、あるいは停滞から躍進へと移行するのかという長期動学、なぜ、同時代において各国ごとに成長と危機が異なる形をとるのかという個別・国際比較経済史、そしてその危機の長期歴史的多様性を解明するものである。マルクス経済学徒がこの学派に移行する傾向が強い。

[一杉哲也]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「レギュラシオン」の意味・わかりやすい解説

レギュラシオン

フランスの官庁エコノミストから生まれた,ケインズマルクスの流れをくむ学派。労使間,企業間,国際間の適切な合意に基づく各種制度があって初めて,政府介入による経済の安定化,再生産が可能な構造への調整(レギュラシオン)が図られると考え,経済構造の変化に対応して制度自体の変更が必要と説く。M.アグリエッタ,R.ボアイエ,A.リピエッツらが代表的存在で,1970年代後半以降にレギュラシオン理論として打ち出された。

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