日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロチェスター」の意味・わかりやすい解説
ロチェスター(アメリカ合衆国、ニューヨーク州)
ろちぇすたー
Rochester
アメリカ合衆国、ニューヨーク州西部、オンタリオ湖に面した同州第三の都市。人口21万9773(2000)。大規模な果樹栽培と市場向け野菜栽培地帯のなかに位置し、商工業・文化の中心都市として知られる。とくに工業では、1880年にジョージ・イーストマンがイーストマン・コダック社(アメリカ国内従業員数約4万2000人、2001)を設立して以来「コダックの町」として有名で、同社関係者が多く居住している。そのほかの光学・精密機器を中心に、自動車部品、食品加工、印刷・出版業と各種工業の発達がみられる。
1811年ごろから定住が始まり、23年のエリー運河の開通で急速な発展をみた。34年より市制が施行され、1840年代は製粉業を中心に多くの工業の発達がみられた。市内にはロチェスター大学(1850創立)、ロチェスター工科大学(1829創立)があり、有名なイーストマン音楽学校は、オーケストラなど数多くの音楽活動を支える中枢施設として重要な役割を担っている。また、美しい公園や各種スポーツ施設も整備され、フィンガー湖群地方への拠点都市として多くの観光・行楽客を集める。
[作野和世]
ロチェスター(アメリカ合衆国、ミネソタ州)
ろちぇすたー
Rochester
アメリカ合衆国、ミネソタ州南東部の都市。人口8万5806(2000)。コンピュータなどの電子機器や電気機器、医療機器を中心に、食品加工、金属、ガラスなどの工業が発達し、付近の酪農地帯の市場としても重要である。また、世界的に名高い医療センターの一つであるメイヨー・クリニックの本拠地でもある。メイヨークリニックは1889年、医師メイヨーWilliam Worrall Mayoと2人の息子が、この地に設立したセントメアリーホスピタルが前身である。ベッド数27で始まったホスピタルは、同地に二つのホスピタルと病院をもち、約1500人の医師や研究者等が従事する医療センターへと変わった。ほかにスコッツデール(アリゾナ州)、ジャクソンビル(フロリダ州)にも医療施設をもつ。1854年に町が開かれ、58年より市制が施行された。
[作野和世]