ロッソ(その他表記)Medardo Rosso

デジタル大辞泉 「ロッソ」の意味・読み・例文・類語

ロッソ(Rosso)

モーリタニア南西部の都市同国第三の規模をもつ。セネガルとの国境に位置する。フランス統治下においてセネガル川を挟んだ南側にある同名のロッソとあわせて一つの都市だったが、独立後に二分された。
セネガル北部の都市。モーリタニアとの国境に位置する。フランス統治下においてセネガル川を挟んだ北側にある同名のロッソとあわせて一つの都市だったが、独立後に二分された。

ロッソ(〈イタリア〉rosso)

赤い。赤色。また、赤ワイン。→ビアンコ

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改訂新版 世界大百科事典 「ロッソ」の意味・わかりやすい解説

ロッソ
Medardo Rosso
生没年:1858-1928

イタリア彫刻家トリノに生まれ,ミラノのブレラ美術学校に学ぶが伝統的な教育法にあきたらず,中退してパリに出る。1889年のパリ万国博覧会への出品で当時の前衛芸術家の賞賛を受け,ロダンと知り合う。やがて2人は不和となるが,その原因は印象主義彫刻にもちこんだのはどちらが先かということであり,またロダンの《バルザック》を自分のアイデアを盗んだとロッソが怒ったためである。外的現実の流動性を彫刻の肌の表現にもちこんだという点で確かにロッソはロダン以上に〈印象主義的〉であり,それは《ベールをかぶった少女》(1893)などにうかがえる。また,光と影の効果を強調するため,のちにロッソはワックスをしばしば素材とする。晩年はミラノで制作し名声を博したが,国際的には一時期忘れられていた。ボッチョーニは〈未来派宣言〉で,彫刻を大気のなかに解放した先駆的彫刻家とたたえている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ロッソ」の意味・わかりやすい解説

ロッソ
Rosso, Medardo

[生]1858.6.20. トリノ
[没]1928.3.31. ミラノ
イタリアの彫刻家。ミラノのブレラ美術学校で絵画を学び,のち彫刻に転じた。 1884年パリに出て J.ダルーのもとで制作。ロダンやドガと知合い,印象派風の代表的彫刻家の一人となり,思いに沈む婦人や病気の子供らの像を好んで制作した。また彫刻に風景を取入れたり,ワックスを素材としたりしたことでも知られる。箱根の彫刻の森美術館には『ユダヤの少年』 (1892~93) などが収蔵されている。主要作品『微笑する少女』 (90,バルツィオ・ロッソ美術館) ,『扇をもつ婦人』 (93,ローマ国立近代美術館) 。

ロッソ
Rosso, Renzo

[生]1926.4. トリエステ
[没]2009.10.21. チボリ
イタリアの小説家。イタロ・ズベーボ,T.マン,ローベルト・ムージルなどの影響を独自のかたちで取り入れた作品が多い。主著『誘惑』L'adescamento (1959) ,『固いとげ』La dura spina (1963) ,『博物館をめぐって』Sopra il museo della scienza (1967) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロッソ」の意味・わかりやすい解説

ロッソ
ろっそ
Medardo Rosso
(1858―1928)

イタリアの彫刻家。トリノに生まれたがまもなくミラノに移住し、ブレラ美術学校に学ぶ。アカデミックな美術に反発し、スカピリアトゥーラ(世紀末のイタリアの文学運動)のロマン主義に強い影響を受け、石膏(せっこう)、蝋型(ろうがた)、テラコッタなどを用いて絵画的なイメージを三次元に移植しようと試みた。そこでは彫刻は量体として存在を顕示するのではなく、光のなかで対象が雰囲気に浸透するのである。1889年以来パリに滞在し、ロダンや印象主義の風潮のなかで評価された。晩年はミラノで過ごし、同地に没した。

[小川 煕]

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世界大百科事典(旧版)内のロッソの言及

【イタリア美術】より

…また地動説はスコラ哲学の基礎であったアリストテレス以来の人文主義的世界観を動揺させ,ルネサンスの基盤は失われる。この危機を代表するものがミケランジェロ,ポントルモ,ロッソ,パルミジャニーノ,ティントレットなど,マニエリスムの芸術である。彫刻ではジャンボローニャGiambologna(1524‐1608)が代表する。…

※「ロッソ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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