ロッソ(読み)ろっそ(英語表記)Medardo Rosso

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ロッソ」の意味・わかりやすい解説

ロッソ
Rosso, Medardo

[生]1858.6.20. トリノ
[没]1928.3.31. ミラノ
イタリア彫刻家。ミラノのブレラ美術学校で絵画を学び,のち彫刻に転じた。 1884年パリに出て J.ダルーのもとで制作。ロダンドガと知合い,印象派風の代表的彫刻家の一人となり,思いに沈む婦人や病気の子供らの像を好んで制作した。また彫刻に風景を取入れたり,ワックスを素材としたりしたことでも知られる。箱根の彫刻の森美術館には『ユダヤの少年』 (1892~93) などが収蔵されている。主要作品『微笑する少女』 (90,バルツィオ・ロッソ美術館) ,『扇をもつ婦人』 (93,ローマ国立近代美術館) 。

ロッソ
Rosso, Renzo

[生]1926.4. トリエステ
[没]2009.10.21. チボリ
イタリアの小説家。イタロ・ズベーボ,T.マン,ローベルト・ムージルなどの影響を独自のかたちで取り入れた作品が多い。主著誘惑』L'adescamento (1959) ,『固いとげ』La dura spina (1963) ,『博物館をめぐって』Sopra il museo della scienza (1967) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロッソ」の意味・わかりやすい解説

ロッソ
ろっそ
Medardo Rosso
(1858―1928)

イタリアの彫刻家。トリノに生まれたがまもなくミラノに移住し、ブレラ美術学校に学ぶ。アカデミックな美術に反発し、スカピリアトゥーラ(世紀末のイタリアの文学運動)のロマン主義に強い影響を受け、石膏(せっこう)、蝋型(ろうがた)、テラコッタなどを用いて絵画的なイメージを三次元に移植しようと試みた。そこでは彫刻は量体として存在を顕示するのではなく、光のなかで対象が雰囲気に浸透するのである。1889年以来パリに滞在し、ロダンや印象主義の風潮のなかで評価された。晩年はミラノで過ごし、同地に没した。

[小川 煕]

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