中世ドイツの修道院。762年ウォルムス近傍のロルシュLorschにルペルティーナ家Rupertinerが建立し,メッツ司教クローデガングの指導のもとに成立した。772年帝国修道院となる。9世紀には120ないし150名の修道士を擁したと推定され,王家その他大小領主から寄進された所領はライン川全流域に広がり,商業的活動も盛んであった。学問,芸術の府としても栄え,とくに教会法学と歴史学に優れ,その図書館は当時最大級のものであったらしい。
11世紀後半から解体過程をたどり,1323年マインツ大司教座に所属,1462年にはライン宮中伯のものとなり,1563年廃止された。財産の散逸を防ぐため12世紀後半に寄進証書の編集がなされたが,それも衰退を阻止するには至らなかった。しかしこのとき集められた約4000通の証書を含む《コデックス・ラウレスハメンシス》は中世史研究の貴重な史料である。また2階に礼拝室をもつ2層の門がカロリング建築美術の記念碑として現存する。
執筆者:早川 良弥
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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