ロルシュ修道院(読み)ロルシュしゅうどういん(英語表記)Kloster Lorsch

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ロルシュ修道院」の意味・わかりやすい解説

ロルシュ修道院
ロルシュしゅうどういん
Kloster Lorsch

ドイツ,ヘッセン州南部の町ロルシュに残る中世の王立修道院。 764年,領主オーバーラインガウ伯カンコールとその母が私的修道院を建ててメスの大司教クロデガングに託したのが始まりとされる。クロデガングが教皇から殉教者聖ナザリウスの遺骨を譲り受けたのを機に巡礼者をひきつけるようになった。9世紀後半,東フランク王のルートウィヒ2世聖堂東側に王家墓廟を,その息子ルートウィヒ3世が華麗な壁画と装飾から「彩りの聖堂」と呼ばれる地下祭室をつくった。またその頃,『ロルシュの福音集』をはじめとする 600冊もの写本を有していた。とりわけ有名な楼門は「王の門」とも呼ばれ,正面の外壁に幾何学模様の装飾石積みが施された独特なもので,カロリング朝建築の貴重な遺構となっている。 1991年世界遺産の文化遺産に登録。

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