ローランサン(読み)ろーらんさん(その他表記)Marie Laurencin

デジタル大辞泉 「ローランサン」の意味・読み・例文・類語

ローランサン(Marie Laurencin)

[1885~1956]フランスの女流画家。甘美で繊細な少女像を描いた。

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精選版 日本国語大辞典 「ローランサン」の意味・読み・例文・類語

ローランサン

  1. ( Marie Laurencin マリー━ ) フランスの女流画家。甘美で繊細な画風で女性像を描き、アポリネールらに注目された。(一八八五‐一九五六

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ローランサン」の意味・わかりやすい解説

ローランサン
ろーらんさん
Marie Laurencin
(1883―1956)

フランスの女流画家。私生児としてパリに生まれる。1902年、磁器の絵付(えつけ)の講習に通い始め、その2年後には画家を志してアンベール画塾の門をたたいた。そこでアカデミック写実の技法を学ぶとともに、ブラックの知遇を得る。07年、ラフィット街の画廊ピカソと知り合い、彼を介して詩人アポリネールと運命的な出会いをする。アポリネールとの波瀾(はらん)に富んだ恋愛関係は5年間続いたが、それはローランサンの芸術的展開にとっても決定的な意味をもつものであった。アポリネールはキュビスムの画家たちを積極的に支援する文章をものし、一方彼女は当時のもっとも前衛的なこの絵画運動のただ中で伝統的な画法から脱皮し、キュビスティックな画風を展開させた。2人の関係はアンリ・ルソーの肖像画『詩人に霊感を与えるミューズ』に描かれている。しかし、2人の恋にもやがて破綻(はたん)が訪れ、それを契機に彼女は独自の道を歩むようになった。14年、ドイツ人フォン・ベッチェン男爵とパリで結婚、しかしほどなく第一次世界大戦が勃発(ぼっぱつ)。結婚によってドイツ人となったローランサンは亡命を余儀なくされ、以後5年間スペインで亡命生活を送る。終戦後ドイツに移ったが、21年に男爵と離婚、パリにふたたび居を構え、心の平静を取り戻す。彼女はバラ色と青と灰色基調にひたすら女性的世界を描き続け、パリで没した。

[大森達次]

『マルシェッソー編著、大森達次訳『マリー・ローランサン』(1980・求龍堂)』『八重樫春樹編『現代世界の美術15 ローランサン』(1985・集英社)』

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改訂新版 世界大百科事典 「ローランサン」の意味・わかりやすい解説

ローランサン
Marie Laurencin
生没年:1885-1956

フランスの女流画家。生地パリで学び,同地で活躍。ピカソ,ブラック,アポリネールらキュビスム周辺の芸術家と交友し,その影響をこうむった。しかし作品の多くは,夢見るような娘たちの姿を淡い色彩を用いて描き出した少女趣味的なもので,形態や線の扱いにキュビスム的要素がいくらかうかがわれるものの,本質的にはキュビスムの造型思考とは異質であった。油彩画のほか,版画,挿絵,織物の下絵などを制作し,またバレエ・リュッスコメディ・フランセーズなどの舞台装飾も手がけた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ローランサン」の意味・わかりやすい解説

ローランサン
Laurencin, Marie

[生]1883.10.31. パリ
[没]1956.6.8. パリ
フランスの女性画家。アカデミー・アンベールで学ぶ。 1905年頃 G.ブラックを知り,彼を通してピカソ,アポリネールらと交わるようになる。 1912年最初の個展を開いて認められ人気作家となる。いずれの流派にも属さず,女性独特の優雅な色調と単純素朴な画風で淡い紅色,青,緑,灰白色を主色として,感傷的な乙女を好んで描いた。油彩画のほか,水彩画,石版挿絵,バレエの舞台装飾なども手がけた。主要作品『少女の像』 (1913) ,『青の天使』 (1929) ,『自画像』。

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百科事典マイペディア 「ローランサン」の意味・わかりやすい解説

ローランサン

フランスの女性画家。パリ生れ。ユンベールのアトリエで学び,のちアポリネールを通じてキュビスムを知る。その影響下に装飾的で繊細な画風を確立し,淡い色調で描いた優雅な作品を残した。
→関連項目ニジンスカ

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ローランサン」の解説

ローランサン
Marie Laurencin

1885~1956

フランスの女流画家。その作品は,バラ色,灰色,青を基調とした色彩の調和,繊細,優雅な情感に満ちている。絵画のほか,コメディ・フランセーズの舞台装飾なども手がけた。

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旺文社世界史事典 三訂版 「ローランサン」の解説

ローランサン
Marie Laurencin

1885〜1956
フランスの女流画家
立体派(キュービスム)に影響され,若い女性をよく描いた。装飾芸術家としても有名。

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