ニジンスカ

百科事典マイペディア 「ニジンスカ」の意味・わかりやすい解説

ニジンスカ

ポーランド系のロシアの女性舞踊家,振付家。ニジンスキーの妹。ペテルブルグの帝室舞踊学校を卒業後,1909年〈バレエ・リュッス〉に参加。《眠れる森の美女》などの古典改訂と新作に活躍し,ストラビンスキー作曲の《結婚》(1923年),プーランク作曲の《牝鹿(めじか)》(1924年,美術ローランサン),ミヨー作曲の《ブルー特急(青列車)》(1924年,台本コクトー,衣装ココ・シャネル),イダ・ルビンシテインの舞踊団のためのラベル作曲《ボレロ》(1928年),バレエ・リュッス・ド・モンテ・カルロのための《百の接吻》(1935年)などを残す。1938年以後米国に定住。→ドーリンリファール
→関連項目ボレロ

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改訂新版 世界大百科事典 「ニジンスカ」の意味・わかりやすい解説

ニジンスカ
Bronislava Nijinska
生没年:1891-72

ポーランド系のロシアの女流舞踊家,振付師ニジンスキーの妹。1908年ペテルブルグの帝室舞踊学校を卒業,バレエ・リュッスに参加する(1909-13)。第1次世界大戦中キエフにバレエ学校を開く。21年同バレエ団に復帰してからは古典の改訂(《眠れる森の美女》)や新作の上演に目ざましい成果を見せ,バレエ史上まれな女性振付師となった。兄の作風をつぐ《結婚Les noces》(1923,音楽ストラビンスキー),ローランサンの美術の特徴を巧みに生かした《牝鹿Les biches》(1924,音楽プーランク)が代表作。38年以降アメリカに定住し,子弟養成につとめた。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニジンスカ」の意味・わかりやすい解説

ニジンスカ
にじんすか
Bronislava Nijinska
(1891―1972)

ロシア出身のバレリーナ、振付師。ミンスクに生まれる。サンクト・ペテルブルグの帝室舞踊学校を卒業。1909年に兄ニジンスキーとともにディアギレフのロシア・バレエ団(バレエ・リュス)に踊り手として参加。21年の『眠れる森の美女』第三幕の改訂をはじめ『結婚』『牝鹿(めじか)』『青い汽車』などを振付け上演、このバレエ団後期を代表する女性振付師であった。その後、パリオペラ座のバレエ・ミストス、イダ・ルビンシュテイン・バレエ団、モンテカルロ・バレエ・リュスの振付師となった。37年以後カリフォルニアに住み、バレエ学校を創設する一方、アメリカのバレエ団に作品を提供した。

市川 雅]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニジンスカ」の意味・わかりやすい解説

ニジンスカ
Nizhinska, Bronislava Fominitshna

[生]1891.1.8. ミンスク
[没]1972.2.22. ロサンゼルス
ポーランド系ロシア人の舞踊家,振付師。 V.ニジンスキーの妹。ペテルブルグの帝室舞踊学校に学ぶ。 1909年 S.ディアギレフのバレエ・リュスの一員となり,同バレエ団のために 21年『眠れる森の美女』を『オーロラ姫の結婚』として改作振付したのをはじめ,『狐』 (1922) ,『結婚』 (23) ,『青い汽車』 (24) などを振付けた。 32~35年パリに自身の舞踊団を組織。ポーランド・バレエの芸術監督を経て 38年アメリカに渡り,以後カリフォルニアに住んで,アメリカン・バレエ・シアター,バレエ・リュス・ド・モンテカルロ,ブエノスアイレスのコロン舞踊団などに作品を提供し,また子弟の養成にも力を注いだ。

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世界大百科事典(旧版)内のニジンスカの言及

【バレエ・リュッス・ド・モンテ・カルロ】より

…また,史上初めてという10代前半,またはそれに準ずる踊り手,T.トゥマーノワ,バロノワ,リャブーシンスカの3人をベビー・バレリーナとして主役に抜擢し,人気を博したことにある。演目はディアギレフの遺産を踏襲したほか,マシンのシンフォニック・バレエ《前兆》《コレアルティウム》(ともに1933),《幻想交響楽》(1936),《赤と黒》(1939),オッフェンバックの音楽による喜劇的な《パリのにぎわい(よろこび)》(1938),前衛的な《子供の遊戯》(1932),《バッカナール》(1939),バランチンのアブストラクト・バレエ《ダンス・コンセルタント》(1944),フォーキンの《愛の試練》(1936),《パガニーニ》(1939),ニジンスカの《百の接吻》(1935),一座の育てたリシンDavid Lichine(1910‐72)の《卒業舞踏会》(1940)などバレエ史に残る作品を多く初演した。しかし運営面では問題が多く,発足後まもなく創立者の一人ブルムが去り,38年からはマシンが主宰者となる。…

※「ニジンスカ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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