ローン担保証券(読み)ろーんたんぽしょうけん

共同通信ニュース用語解説 「ローン担保証券」の解説

ローン担保証券(CLO)

信用力が低い複数の企業向け貸付債権を一つにまとめ、その元本利子を裏付け資産として発行した金融商品リーマン・ショックを引き起こしたサブプライムローンと仕組みが類似しているとの指摘がある。世界的に低金利が続く中、投資家が高い運用利回りを求めたため米国中心市場が急成長した。景気悪化などで企業の返済が滞ると投資家は損失を被る恐れがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ローン担保証券」の意味・わかりやすい解説

ローン担保証券
ろーんたんぽしょうけん

CLO(Collateral Loan Obligation)。金融機関が事業会社などに対して貸し出している貸付債権(ローン)を証券化したもので、ローンの元利金担保にして発行される債券資産担保証券ABS)の一種。日本では、1990年代なかば以降、不良債権の大量発生により銀行の自己資本が脆弱(ぜいじゃく)化するなか、貸付債権の流動化による資産圧縮対策の一つとして活発に発行された。また2000年(平成12)以降、中小企業が金融機関の貸し渋りで悩むなか、東京都が中小企業でも事業資金を債券市場から調達できる手法として採用した。具体的なスキーム(仕組み)としては、金融機関がローンを特別目的会社に譲渡し、特別目的会社が債券を組成し、投資家がこれを購入する。そして、ローンからの元利金を投資家が受け取るという仕組みが一般的。同じくABSの一種で、複数の社債を裏付け資産として発行されるのが社債担保証券(CBO)、また社債や貸出債権(ローン)などから構成される資産を担保として発行されるのが債務担保証券(CDO)である。

[中村 稔]

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