ワックスマン(読み)わっくすまん(その他表記)Selman Abraham Waksman

精選版 日本国語大辞典 「ワックスマン」の意味・読み・例文・類語

ワックスマン

  1. ( Selman Abraham Waksman セルマン=エーブラハム━ ) アメリカの微生物学者。ウクライナで生まれた。土壌細菌研究から、ストレプトマイシンを産出する菌を発見し、これを抗生物質と名づけた。一九五二年ノーベル生理学・医学賞受賞。(一八八八‐一九七三

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ワックスマン」の意味・わかりやすい解説

ワックスマン
わっくすまん
Selman Abraham Waksman
(1888―1973)

ロシア生まれのアメリカの微生物学者。キエフ(現、キーウ)近くのプリルカで7月22日に生まれる。1910年アメリカに渡り、ラトガース大学を卒業。1916年市民権を得、カリフォルニア大学で学位をとり母校に戻り、1930年教授になる。この間ニュー・ジャージー州立農事試験場で土壌の微生物学的な生化学の研究を行った。1930~1942年にはウッズ・ホール海洋研究所に海洋微生物学者として勤務。1939年以降、土壌中の微生物が生産する細菌発育抑制物質の研究に入り、放線菌ストレプトミセス・グリゼウスからストレプトマイシンを1944年に発見。この物質は結核菌その他の病原菌に対して強い抗菌作用をもち、感染症治療上きわめて有効な物質であり、この研究に対して1952年にノーベル医学生理学賞が授与された。1949年にラトガース微生物学研究所を設立、1958年に退任するまで所長であった。1973年8月16日死去。なお抗生物質antibioticsという語は彼がつくったものである。

[宇佐美正一郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android