教員が一方向的に教える講義形式ではなく、児童生徒が主体的に参加する学習や授業方法の総称。知識の習得だけでなく、思考力や判断力、表現力などの育成を図るのに有効とされる。体験学習のほか、グループに分かれてのディスカッションやディベートなどが例に挙げられている。
更新日:
出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
教員が学生に一方向的に知識を教授する講義型ではなく、学生が主体的に問題を発見し、解をみいだしていく能動的な学習方法の総称。高等教育以上の教育現場ではアクティブラーニングという名称が浸透しており、初中等教育の現場ではオープン教育とよばれることが多い。
学生が知識や情報を得る手法だけでなく、課題から結論を導き出す技能が重視される。たとえば、講義や図書、インターネットなどから得られる情報や知識の取捨選択および比較検討、他人の考えと比較しながら考えを練る、結論を的確に人へ伝える、などのプロセスが、計画的に盛り込まれることにより、能動的な学習方法が形づくられる。アクティブラーニングを取り入れた授業は、学生参加型授業、共同学習、探求学習、能動的学習、経験型学習、問題解決学習などの名称でよばれる。実際の授業は、グループワーク、ディスカッション、リフレクション(自己の活動内容を振り返って評価すること)、ディベートなどにより進められる。
アクティブラーニングは、中央教育審議会から2008年(平成20)に出された「学士課程教育の構築に向けて(審議のまとめ)」において、学生の主体的、能動的な学習法を重視することが提言され、導入方法について積極的に議論されるようになった。日本の大学では、実際には2000年ころから導入が検討されており、学生間のグループワークやディスカッションを促すような学びの場として、オープンスペースが積極的に設けられた。東京大学では学習内容に合わせて空間とICT(情報通信技術)を柔軟に活用する場として、東京大学駒場アクティブラーニングスタジオが整備され、モデルケースになっている。また、大学図書館でもアクティブラーニングを支援する試みとしてラーニングコモンズの整備が進められ、柔軟なコミュニケーションスペースや情報検索のサポートデスクなどが設けられるようになった。
[編集部]
講義を聴くだけの受動的学習では学習効果が上がらないことが指摘されて久しい。受動的学習に対する概念が能動学習(アクティブ・ラーニング)である。学生が授業に積極的に参加する方略すべてを含む。たとえば,グループ学習による議論や発表,チュートリアル,問題解決型学習(Problem Based Learning: PBL),ディベートなどである。図書館やLMS(ラーニング・マネジメント・システム),OCW(オープンコースウェア)が整備された現在,大学の講義の意義が深く問われている。単なるテキストの紹介は,学生にとって有益ではないのではないかという疑念である。アクティブ・ラーニングは,それに対する答えの一つである。最近はこの考え方をさらに進めた「Significant Learning(意義ある学習)」が推奨されている。かつての講義形式はテキスト講読を講義中に行い,それを使った課題解決を宿題で行っていたが,それを逆転させる方略の反転学習(Flipped Learning)である。
著者: 細川敏幸
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加