アグフア・ゲバルト(読み)あぐふあげばると(英語表記)Agfa-Gevaert N.V.

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アグフア・ゲバルト
あぐふあげばると
Agfa-Gevaert N.V.

ドイツで創業された総合写真企業。1999年に本社をベルギーのモルツェルに移した。2009年現在、世界40か国に工場・支店をもち、120か国に代理店を置く。1867年ベルリン近郊に設立されたアニリン染料工場に起源をもつ。1873年Aktiengesellschaft fr Anilin Fabrikationenの社名の頭文字をとってアグフアAgfaと社名を改め、19世紀末までに、写真現像用品、乾板、フィルム分野に進出した。1925年、化学メーカー6社によるイー・ゲー・ファルベン(利益共同染料株式会社)設立の際に合併された。1931年にはボックスカメラの市販を開始。1942年、世界最初のカラー写真印画紙の製造を行い、カラー写真(アグフアカラー)普及の基礎をつくった。第二次世界大戦後、財閥解体により、1952年バイエル染料会社の支配下において、アグフア写真工業会社およびアグフア・カメラ会社として再出発し、1957年両社はアグフアとして一体化した。1964年に、ベルギーのゲバルト写真製造社Gevaert Photo-Producten N.V.(1894年創業)と合併し、アグフア・ゲバルト・グループAgfa-Gevaert Groupが誕生し、本社はドイツのレバークーゼンとベルギーのモルツェルに置かれた。1981年にバイエルが100%株式を所有したので、再度その傘下に入ったが、1999年には株式を上場して、バイエルグループから離れた。
 2009年現在、グラフィック・システム、ヘルスケア、マテリアル製品の三つの事業部門からなっている。グラフィック・システム事業では、製版・印刷工程で必要とされるフィルム、ペーパー、自動現像機などによる総合デジタル・ソリューションを目ざしており、ヘルスケア事業では、病院などの情報システム、IT(情報技術)を利用した医療画像ソリューションなどを提供、マテリアル事業では、ポリエステルフィルム、帯電防止保護膜、透明電極、コーティング用インキ、映画用フィルム、航空写真関連製品などを提供している。2007年の売上げは33億ユーロであるが、その売上構成はグラフィック・システム47%、ヘルスケア35%、マテリアル製品18%となっている。純利益は4200万ユーロ、従業員は1万3565人である。
 なお、デジタル化の波にのまれて経営不振に陥ったカメラ部門は、2004年にアグフアフォトAgfaPhotoとして売却したが、同社は翌2005年5月に倒産。2007年には再建されて、現在は本社をドイツのレバークーゼンに置いている。[湯沢 威]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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