アセタゾラミド(読み)あせたぞらみど(その他表記)acetazolamide

共同通信ニュース用語解説 「アセタゾラミド」の解説

アセタゾラミド

緑内障てんかん高山病予防などに使われる。日本アンチ・ドーピング機構(JADA)によると、国内では医師処方箋が必要な医薬品として販売されている。世界反ドーピング機関(WADA)の禁止薬物リストでは利尿薬隠蔽いんぺい薬の部類に該当し、筋肉増強剤などの使用を隠す効果がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アセタゾラミド」の意味・わかりやすい解説

アセタゾラミド
あせたぞらみど
acetazolamide

アセタゾールアミドともいい、利尿剤、眼内圧降下剤として知られる。スルホンアミド剤の合成研究の過程で開発されたもので、炭酸脱水酵素阻害作用を有する。炭酸脱水酵素はH2CO3CO2+H2Oの反応を触媒する酵素で、腎(じん)尿細管ではナトリウムイオンの再吸収、尿の酸性化に関与しており、その阻害によってナトリウムイオンと炭酸イオンの再吸収が阻害され、尿量は増加する。このことから利尿剤として利用されている。そのほか、小児てんかんや緑内障の治療にも用いられる。「ダイアモックス」や「アセタモックス」など、粉末錠剤、徐放性カプセルの市販品がある。

[幸保文治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「アセタゾラミド」の解説

アセタゾラミド
アセタゾラミド
acetazolamide

N-[(5-aminosufamoyl)-1,3,4-thiadiazol-2-yl]acetamide.C4H6N4O3S2(222.25).5-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-2-チオールをアセチル化後,塩素ガス,ついでアンモニアを作用させてスルホンアミドとして合成する.白色の結晶性粉末.分解点255 ℃.pKa 7.2.エタノール,水,エーテルに難溶,アルカリに可溶.炭酸脱水酵素阻害剤,利尿薬,妊娠中毒症,および緑内障治療薬として使用される.LD50 3~6 g/kg(マウス,静注).[CAS 59-66-5]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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