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アセチル補酵素A アセチルホコウソエー

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デジタル大辞泉の解説

アセチル‐ほこうそエー〔‐ホカウソ‐〕【アセチル補酵素A】

アセチルCoA

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栄養・生化学辞典の解説

アセチル補酵素A

 →アセチルCoA

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アセチル補酵素A
あせちるほこうそえー
acetyl coenzyme A

補酵素A(CoAまたはCoASH)のアセチル誘導体。アセチルCoAともいう。分子式C23H32P2N5O12S、分子量809.572g/mol。補酵素Aは炭素が2個から24個までのさまざまな大きさの活性型アシル基の担体(輸送体)として働くが、アセチル補酵素Aは炭素2個のアセチル基が結合したものである。補酵素Aの構造中に含まれる2-メルカプトエチルアミン(システアミン)のSH基(スルフヒドリル基、メルカプト基、チオール基ともいう)と酢酸のカルボキシ基(カルボキシル基)がチオエステル結合(SH基とカルボキシ基が結合すること)することで生成される。アデニンによる260ナノメートルの吸収極大のほかにチオエステルによる極大230~240ナノメートルの吸収帯をもつ高エネルギー化合物であり、加水分解のΔ(デルタ)G0'(pH7)は-31.5kJ(キロジュール)/molである。F・A・リップマンは、酵素が触媒する多くのアセチル化に補因子が必要なことを発見し、これを補酵素Aと名づけた。この「A」はアセチル化acetylationの頭文字からきている。補酵素Aは単離され、その構造は1947年に決定された。アセチル補酵素Aは、グルコース、アミノ酸および脂肪酸の代謝によって共通中間体として供給される。アセチル基はクエン酸サイクルを経てCO2に酸化され、同時にNAD+とFADを還元する。NADHとFADH2がO2で酸化されるとき、酸化的リン酸化でH2Oを生じ、ATP(アデノシン三リン酸)を供給する。
 アセチル補酵素Aは、脂肪酸やスチロール、アセト酢酸の生合成に関与し、アセチルコリン、アセチルスルファニルアミド、N-アセチル糖やペプチド鎖のアセチル化されたN-末端などの合成のアセチル化剤としても用いられる。クエン酸回路(TCA回路)の出発点であり、アセチル補酵素Aとオキサロ酢酸が反応して、クエン酸と補酵素Aが生合成される。また、テルペン生合成の出発点ともなる。さらに細菌によるアルコール発酵の中間体でもある。アセチル補酵素Aのような活性担体は代謝のモジュール設計や経済性をよく表し、あらゆる生物に共通の活性担体の存在は、わずかな種類の分子が広範な作業を行うために進化の過程で選択されたことを示している。
 このほか、代謝における活性担体としては、ATP(アデノシン三リン酸)、NADH(還元型のニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)とNADPH(還元型のニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)、FADH2(還元型のフラビンアデニンジヌクレオチド)、FMNH2(還元型のフラビンモノヌクレオチド)、チアミンピロリン酸、ビオチン、テトラヒドロ葉酸、S-アデノシルメチオニン、ウリジン二リン酸グルコース、シチジン二リン酸ジアシルグリセロールおよびヌクレオシド三リン酸がある。[有馬暉勝・有馬太郎・竹内多美代]

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