アノア(読み)あのあ(英語表記)anoa

日本大百科全書(ニッポニカ)「アノア」の解説

アノア
あのあ
anoa
[学] Anoa depressicornis

哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科の動物。インドネシアのスラウェシ島森林に分布する。野生のウシの仲間ではもっとも小形で、頭胴長1.6~1.7メートル、肩高1メートル、尾長25~30センチメートル。雄ともに(つの)があり、その長さは30センチメートルほどでまっすぐ後方に伸びている。体色は暗黒色で、毛は少なく、とくに老獣では体がほとんど裸出する。小形の動物にしては性質がかなり荒く、頭を下げて突進する。普通一つがいで、下草の豊富な森林で生活し、水辺や木の陰を好み、湿地の草、木の葉などを好んで食べる。日中は休息し、おもに朝と夕方に行動する。妊娠期間は276~315日で1産1子。幼獣には黄褐色の羊毛状の毛が密生している。日本では、千葉県の行川(なめがわ)アイランド(1964年開園、2001年閉園)で繁殖に成功した例がある。2003年(平成15)現在の記録では、横浜市立金沢動物園に雄1頭、雌2頭の飼育例がある。

[中川志郎]

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精選版 日本国語大辞典「アノア」の解説

アノア

〘名〙 (anoa) ウシ科の哺乳類スラウェシセレベス)島特産の森林にすむ小形の水牛体長約一八〇センチメートル、尾長約四〇センチメートル、体高約八五センチメートル。体は全体に黒みがちで、角は三〇センチメートル前後と短くまっすぐで外方に向かう。原始的な特徴をもつうえ数が少ないので珍獣とされる。なお山岳域には近縁の別種ヤマアノアが生息する。

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世界大百科事典 第2版「アノア」の解説

アノア【anoa】

アジアスイギュウ祖先に近い小型で原始的な偶蹄目ウシ科の哺乳類(イラスト)。セレベス島の低い山地の森林にすむ。肩高1m,体長1.7m,体重300kg前後,角は小さく長さ39cm以下,先端までほとんど曲がらず左右の角の基部が接するため前から見てV字状,上あごの臼歯(きゆうし)は内側に柱状突起を欠き単純成獣は全身がほぼ裸出し,雄は黒く雌は褐色,耳介の内面は白く,目の前,下あご,首,ひづめの上に多くは白斑がある。

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