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アヨーディヤー Ayodhyā

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アヨーディヤー
Ayodhyā

インド北部,ウッタルプラデーシュ州東部,ガーガラ川に面する町。ヒンドゥー教の7聖地の1つで,前6世紀にコーサラ国の初期の首都であった。ブッダ (釈迦 ) が滞在したことがあるというセケタは,アヨーディヤーのこととされており,前3世紀にアショーカ王が建設したとされるストゥーパなど,多くの遺跡が残されている。ヒンドゥー教ではラーマ王子誕生の地として『ラーマーヤナ』に記されており,ラーマ崇拝の高まりとともに,聖地として尊崇を集めてきた。町の周辺に古代遺跡と考えられる多くの小山があるが,十分な考古学的調査はされていない。 13世紀にイスラム勢力のデリー・サルタナットの支配下となり,16世紀にはムガル帝国の版図に入り,帝国の始祖バーブルによってラーマ寺院は破壊され,跡地にバーブリマスジットと呼ばれるモスクが建設された (1528) 。イギリスから独立した直後の 1949年,ヒンドゥー教徒はこのモスク内にラーマ神像を安置したが,両宗教の衝突を懸念した政府はこれを閉鎖。やがて 1980年代に入ると,インド人民党を中心としたヒンドゥー教徒によるモスク開放要求が盛んになり,92年には全国から集った約 20万人のヒンドゥー教徒がこのモスクを破壊するという事件が起った。これをきっかけに全国にヒンドゥー教徒とイスラム教徒の衝突が発生し,数日間で 1100人以上の死者を出した宗教暴動に発展した。人口4万 786 (1991) 。

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百科事典マイペディアの解説

アヨーディヤー

インド北部ウッタル・プラデーシュ州にあるヒンドゥー教聖地。《ラーマーヤナ》の主人公であり,最高神ビシュヌ神の化身の一つラーマ神の生誕地とされる。ヒンドゥー教徒は,かつてここに存在した〈ラーマ生誕地寺院〉をイスラム教徒が破壊し,同地にモスクを建設したとする。

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世界大百科事典内のアヨーディヤーの言及

【コーサラ】より

…現在のウッタル・プラデーシュ州東部にあった古代インドの王国。後期ベーダ時代に興り,はじめアヨーディヤーAyodhyāを都としていた。叙事詩《ラーマーヤナ》の英雄ラーマは,この都で生まれたという。…

※「アヨーディヤー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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