アルチザン(読み)あるちざん(その他表記)artisan フランス語

デジタル大辞泉 「アルチザン」の意味・読み・例文・類語

アルチザン(〈フランス〉artisan)

職人技工
職人的芸術家技術は優秀であるが、芸術感動をよばない制作をする人を批判的にいう語。

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精選版 日本国語大辞典 「アルチザン」の意味・読み・例文・類語

アルチザン

  1. 〘 名詞 〙 ( [フランス語] artisan )
  2. 職人。工匠
  3. 技術はすぐれていても、芸術的神髄をきわめていないため、感動を伴わない作品をつくる者。職人的芸術家。アーチザン。
    1. [初出の実例]「アルチザン的な文士気質なぞ」(出典:女房的文学論(1947)〈平野謙〉)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アルチザン」の意味・わかりやすい解説

アルチザン
あるちざん
artisan フランス語

職人。かつてはアーティストと同一視されていたが、近代の分業指向によって両者は分断され、アーティストは芸術家、アルチザンは無名縁の下の力持ちのような存在となっていった。しかし、手作業のアルチザンの技術こそ伝統的な芸術を担う存在であり、彼らの熟練なくしては伝統の保持はおろか、斬新(ざんしん)な作品の制作もままならない。創造性はともかく、伝統工芸の技術の維持が今日の世界的な課題となっているとき、アルチザンの役割は重要視されつつある。

[船戸英夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルチザン」の意味・わかりやすい解説

アルチザン
artisan

職人。芸術批評の分野ではしばしばアルチスト (芸術家) と対立する語として使われる。技術的には熟練し精妙な腕を発揮しながらも,芸術的感動に乏しい作品を作る人々を批判的にいう言葉。しかし,いわゆる「職人芸」を見直す気運が高まるにつれ,この語自体の評価軸にも変化が見られる。

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