アンダマン諸島民(読み)アンダマンしょとうみん(その他表記)Andamanese

改訂新版 世界大百科事典 「アンダマン諸島民」の意味・わかりやすい解説

アンダマン諸島民 (アンダマンしょとうみん)
Andamanese

ベンガル湾東部,アンダマン諸島原住民。人口約700(1961)。マレーシアのセマン族,フィリピンのいくつかの部族などと共に人種的にはネグリトに分類される。ラドクリフ・ブラウンの調査報告《アンダマン島人》(1922)で有名になった。現在,大部分は元来の部族生活をやめて定住しているが,なお南アンダマン島とラトランド島のジャラワ族,小アンダマン島のエンジ族には伝統的な生活様式が残存している。社会的には,数十人からなる共同体がひとつの単位として,一定の地域を占有して,その中で半移動生活を営む。生業形態は今日もなお狩猟採集であり,農耕技術はもたない。男子は弓矢を用いて狩猟と漁労を行い,女子は植物の食糧を採集する。貝器を主として用いるが,土器の製作も行う。また,火を使用するが,火を起こす方法は知らない。18世紀中ごろまで外来人種・文化の流入はなかったが,のちインド人が多数住むようになり,1950年代以降はビルマ(現,ミャンマー),東パキスタン(現,バングラデシュ)などからの難民,移民が多く入っている。
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百科事典マイペディア 「アンダマン諸島民」の意味・わかりやすい解説

アンダマン諸島民【アンダマンしょとうみん】

アンダマン諸島に住むネグリト系の人びと。皮膚暗黒色巻毛。原始的な採集・狩猟・漁労生活を営む。以前は自ら孤立した生活を営んでいたが,最近は門戸を開き,外部からカヌー陶器などを学ぶようになった。ラドクリフ・ブラウン研究は著名。→アンダマン語
→関連項目

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