ベンガル湾南東部、ミャンマーのネグレイス岬の南に位置する弧状列島。204島からなる。面積6475平方キロメートル、人口24万0089(1991)。北アンダマン、中アンダマン、南アンダマンの連続する3島が大きく、大アンダマン諸島とよばれる。アルプス‐ヒマラヤ造山帯の一部をなし、北アンダマンのサドルピーク山(732メートル)をはじめ、中アンダマンのダイアボロ山(511メートル)など、島の地形はかなり険しい。年平均気温は23~30℃、年降水量2500ミリメートル以上で、常緑樹を主体とするジャングルが島の80%を覆い、海岸はサンゴ礁に囲まれマングローブが茂る。アンダマン紅木をはじめ各種の木材やコプラ、ココナッツが主要な輸出品で、食糧はほとんど輸入に頼っている。近年はマッチの製造も行われるようになった。
18世紀からイギリスの流刑植民地、第二次世界大戦中は日本軍の占領下にあり、1950年アンダマン・ニコバル諸島としてインド中央政府の直轄地となった。アンダマン・ニコバル諸島の面積8249平方キロメートル、人口38万0581(2011センサス)。南アンダマンのポート・ブレアに行政理事官が駐在する。先住民は人口のごく一部を占めるにすぎず、大部分は流刑者や、印パ分離(1947)のとき東パキスタンから移住してきたヒンドゥー教徒の子孫である。
[林 正久]
黒色の肌、縮れた髪、140センチメートル程度の低い身長などの特徴から、マレー半島のセマン、フィリピン北部のアエタとともに、ネグリトと総称されることもある。人口は、1870年推計の約1000人から、外国人の持ち込んだ病気により減少を続けている。1970年の推計で600人程度の住民がいたとされる。19世紀にイギリスの流刑地として利用され始めたが、それ以前は、周囲から長期間(おそらく数千年間)、孤立して生活をしてきたことが推察されており、その言語であるアンダマン語の系統も不明である。サウス島のジャラワ、リトル・アンダマン島のオンゲなどのほか、約10の民族が住んでいた。人類学者のラドクリフ・ブラウンが調査を行い、ここでの調査から機能主義を創始したことで有名である。狩猟、採集を生業とし、農耕は行わない。海岸か小川の近くに住み、豊富な海産資源を利用する。魚、ウミガメ、カニ、軟体動物などを、網や槍、銛(もり)などを用いてとる。丸太製のカヌーを利用して沖に出る場合もある。森林では果実、木の実の採集や、唯一の家畜であるイヌを使った野ブタ狩り、その他小動物の狩りを行う。発火法を知らなかった民族として世界でも珍しい例であり、落雷などで得た火を小屋の中に保存していた。社会組織の基本は親族関係であり、もっとも重要な社会単位は、数家族からなる集団(バンド)である。社会的な階層は存在せず、権威をもつ役職や首長などは存在しない。各家族はシュロの葉で葺(ふ)いた小屋を建て、広場を囲んで数家族が円形に位置し、村をつくる。顔や身体に複雑な模様を描くことで知られており、さまざまな色の粘土が使われる。死者の霊の存在を信じ、霊が住民に危害を及ぼしたり、援助したりするとされ、これはシャーマンの行為によって左右されると信じられている。ただし、以上のような伝統的生活様式を行っている住民は現在では非常に少ない。
[豊田由貴夫]
ベンガル湾の東縁にある列島。南に続くニコバル諸島とともにミャンマーのアラカン山脈とインドネシアのスマトラ島とを結ぶヒマラヤ造山帯の一環をなす。北緯10°から14°にかけて204の島々が連なり,北・中・南アンダマン3島が特に大きい。総面積6475km2,人口24万(1991)。その存在は7世紀ころから東南アジアやインドの商人によって知られていたが,地形がけわしく,熱帯雨林気候特有の深い密林におおわれていたので,長い間開発から取り残されていた。イギリスが流刑地として本格的植民に成功したのは1857年である。南アンダマン島のポート・ブレアPort Blairが唯一の町で,天然の良港がある。インドの独立によって中央政府直轄地となり,東パキスタン(現,バングラデシュ)から多数の難民が移住した。原住民のアンダマン諸島民はネグリト系で,今なお採集・狩猟文化の段階にあり,人口は減少の一途をたどって絶滅に瀕している。
執筆者:藤原 健蔵
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新