アンティオキア

精選版 日本国語大辞典 「アンティオキア」の意味・読み・例文・類語

アンティオキア

(Antiochia) 紀元前三〇〇年頃セレウコス一世が建設した古代シリアセレウコス朝時代の首都。パレスチナ以外では最初キリスト教中心地一つトルコ中部の南端近くにある都市アンタキアの旧称

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デジタル大辞泉 「アンティオキア」の意味・読み・例文・類語

アンティオキア(〈ラテン〉Antiochia)

トルコ南部の小都市アンタキヤ古称。前300年ごろ古代シリア王国のセレウコス1世が首都として建設。のちエルサレムに次ぐ初代キリスト教会の中心地。

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百科事典マイペディア 「アンティオキア」の意味・わかりやすい解説

アンティオキア

セレウコス朝初期の諸王が建設した多数の都市。重要なものはトルコ南部,シリアとの国境に近いオロンテス河畔のもので,セレウコス1世が前300年ころ建設,アンティオコス1世のときセレウコス朝シリア王国の首都となった。ヘレニズム時代には政治経済文化の中心地の一つで,初期キリスト教要地でもあったが6世紀以後衰退。現在はトルコに属し,現名アンタキヤAntakya(12万3871人,1990)。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「アンティオキア」の解説

アンティオキア
Antiochia

セレウコス朝の首都,ローマ時代のシリア総督の駐在地。オロンテス川左岸,河口から約27kmの地点に前300年セレウコス1世によって建設された。政治,商業取引の中心地として富み栄え,人口は最盛時に約40万~50万,当時の最大の都市の一つであったが,5世紀前半以後,衰微した。この地はまた異邦人へのキリスト教伝道の最初の基地となった。

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世界大百科事典 第2版 「アンティオキア」の意味・わかりやすい解説

アンティオキア【Antiochia】

トルコ南部,ハテー県の県都。人口7万7400(1982)。アンティオキアはラテン語名で,古代ギリシア名はアンティオケイアAntiocheia。トルコ名はアンタキヤAntakya。地中海に注ぐオロンテス(アシ)河口から約30km上流の,シリアとの国境近くに位置する。現在は特産の綿やオリーブ油産業を営む地方の小都市にすぎないが,かつては政治・交易・宗教の中心として繁栄した。創建は前300年,セレウコス1世による。

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旺文社世界史事典 三訂版 「アンティオキア」の解説

アンティオキア
Antiochia

シリア王国セレウコス朝の首都
トルコの南部オロンテス川に臨み,同名の都市16のうち最も有名。セレウコス1世が父の名アンティオコスを記念して建て,ヘレニズム時代・帝政ローマ期に繁栄した。また当市の教会は初期キリスト教世界における五本山の1つであり,教管区が置かれ,公会議も開かれて,キリスト教史上重要な位置を占めた。現在はアンタキヤ(Antakya)と呼ばれる。

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世界大百科事典内のアンティオキアの言及

【シリア】より

…313)後は,各地に教会堂,礼拝堂,修道院が建設された。シリアのキリスト教の中心地はアンティオキアであり,神学研究の学統としてアンティオキア学派が形成された。また,エデッサは最初のキリスト教国家として有名である。…

※「アンティオキア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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