セレウコス

精選版 日本国語大辞典 「セレウコス」の意味・読み・例文・類語

セレウコス

  1. ( Seleukos ) ( 一世 ) シリア王国初代の王(在位前三一二‐前二八〇頃)。セレウコス朝の祖。アレクサンドロス大王部将大王死後バビロニア長官となり、メディナ・スシアナを奪い、さらにシリア・キリキアを得て王国建設した。(前三五八頃‐前二八〇頃

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百科事典マイペディア 「セレウコス」の意味・わかりやすい解説

セレウコス[1世]【セレウコス】

シリア王国初代の王(在位前305年―前281年)。通称ニカトル(〈勝利者〉の意)。セレウコス朝の始祖アレクサンドロス1世の部将で,その没後バビロニアを得て王国を創建した。インドにまで遠征,前301年イプソスの戦でアンティコツス1世を,前281年コルペディオンの戦でリュシマコスを破り,西アジアの大部分を支配。多数の都市セレウキア)を建設したことで有名。
→関連項目アンティオキアアンティオコス[1世]セレウコス朝ディアドコイラタキアリュシマコス

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「セレウコス」の意味・わかりやすい解説

セレウコス(1世)
せれうこす
Seleukos Ⅰ
(前358ころ―前280)

マケドニア貴族出身の軍人征服王(ニカトールNikator)とよばれる。アレクサンドロス大王の部下としてオリエント各地を転戦した。大王の死(前323)後、バビロニアを支配下に置いたが、しだいに勢力を拡大し、紀元前312/311年には王を称し、セレウコス紀元を定めた。前304年にはインド領はチャンドラグプタの手に渡ったが、イプソスの戦い(前301)以後、地中海世界との関係を重視し、当初の首都ティグリス河畔のセレウキアからシリアのアンティオキアに遷都し、シリアや小アジアの確保に努めた。アレクサンドロスの後継者(ディアドコイ)中もっとも成功を収めた者として、さらにマケドニア本国をもねらったが暗殺された。彼はギリシア風植民都市を設立し、広大な領土の支配の拠点とした。

[小川英雄]

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旺文社世界史事典 三訂版 「セレウコス」の解説

セレウコス(1世)
SeleukosⅠ

前358ごろ〜前280
シリア王国セレウコス朝の祖(在位前304〜前280),征服王(Nikator)
マケドニアの貴族でアレクサンドロス大王の部将。大王の死後,バビロン・メディア・スシアナ,さらにシリア・キリキアを攻略してシリア王国を確立し,マケドニアをうかがったが暗殺された。アンティオキア・セレウキアなどの都市を建設。

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世界大百科事典(旧版)内のセレウコスの言及

【ラオディケ】より

…前253年離別された。アンティオコス2世はエジプトのプトレマイオス2世の娘ベレニケと政略結婚したが,死の直前ラオディケの子セレウコス2世を後継として指名した。王の没後ベレニケを支援しようとするプトレマイオス3世は第3次シリア戦争(前246‐前241。…

※「セレウコス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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