イトカワ(読み)いとかわ(その他表記)Itokawa

デジタル大辞泉 「イトカワ」の意味・読み・例文・類語

いと‐かわ〔‐かは〕【イトカワ/糸川】

地球から約3億キロ離れた距離に位置する、太陽系小惑星。長径約540メートルで、海面に浮かぶラッコのような形。平成17年(2005)に日本の小惑星探査機はやぶさ到達。岩石質の微粒子を採取して帰還した。
[補説]名称は「日本のロケット開発の父」とよばれる工学者糸川英夫由来。1998年に米国マサチューセッツ工科大の研究チームによって発見されたが、はやぶさの探査対象となったことから、宇宙科学研究所が発見者に依頼し、2003年にイトカワと命名された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「イトカワ」の意味・わかりやすい解説

イトカワ
いとかわ
Itokawa

太陽系の小惑星。アメリカ・マサチューセッツ工科大学リンカーン研究所の地球近傍小惑星探査チームにより1998年9月に発見された。地球に近づく軌道をもつ地球近傍小惑星の一つ。地球と火星公転軌道を横切るように軌道をとる。小惑星番号は25143。小惑星探査機「はやぶさ」の探査対象。名称は日本の航空工学者糸川英夫(いとかわひでお)にちなむ。

 2005年(平成17)、イトカワに接近・着陸着地)した「はやぶさ」による観測により、細長いソーセージのような形をしており、535メートル×294メートル×205メートルの楕円体であることが判明した。比重は1立方センチメートル当り1.9グラムと、地球の比重(1立方センチメートル当り5.5グラム)に比べて非常に小さいことがわかった。このことから、イトカワ内部はかなり隙間(すきま)のある構造と推測される。

 「はやぶさ」が持ち帰ったサンプルの分析により、46億年前の太陽系誕生初期に直径20キロメートル以上のイトカワ母天体ができたこと。母天体形成後、内部の温度が約800℃まで上がり、ゆっくり冷えたこと。そして、他の小天体の衝突によりイトカワ母天体はばらばらになったが、再度破片一部重力で集まって現在のイトカワができたことが分かった。

[編集部 2022年10月20日]


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最新 地学事典 「イトカワ」の解説

イトカワ

Itokawa

第25,143番小惑星の固有名。日本のロケットの父,糸川英夫博士にちなんで命名。アポロ群の地球近傍小惑星の一つ(三軸径0.535×0.294×0.209km,質量3.51×1010kg,密度1.9ɡ/cm3,アルベド0.53,分光タイプS型)。空隙率41%のラブルパイル天体であり,潜在的に危険な小惑星PHAの一つ。1998年LINEARプロジェクトが発見し,小惑星探査機はやぶさの試料回収目標天体となった。対応隕石種は普通LLコンドライト。絶対等級19.26,公転周期1.52年,軌道長半径1.324AU,離心率0.280,軌道傾斜角1.622,近日点引数162.80度,昇交点黄経69.09度,平均近点角176.48度,自転周期12.132時間で逆行

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