(読み)ハヤブサ

デジタル大辞泉 「隼」の意味・読み・例文・類語

はやぶさ[列車・小惑星探査機]

東北新幹線北海道新幹線運行されている特別急行列車愛称。平成23年(2011)に運行を開始。おもに東京・新青森間、または東京・新函館北斗間を結ぶ。秋田新幹線こまち」を連結する編成もある。
平成15年(2003)にJAXAジャクサ(宇宙航空研究開発機構、打ち上げ時は宇宙科学研究所)が打ち上げた小惑星探査機MUSES-Cミューゼスシーの愛称。平成17年(2005)に小惑星イトカワに到達し、表面の観測を行った後、サンプル採取を試みた。燃料漏れや姿勢制御装置の故障、通信途絶など、たび重なるアクシデントに見舞われたが、平成22年(2010)6月に地球帰還。サンプル収納容器の中から、イトカワのものとされる約1500個の岩石質の微粒子が採集された。→はやぶさ2ツー

はや‐ぶさ【×隼】

ハヤブサ科ハヤブサ属の鳥。全長42センチくらい。背面が青灰色、腹面は白に黒色の黄斑があり、目の下に暗色斑が伸びている。くちばしは鋭く曲がり、翼は長くて先がとがる。直線的に速く飛び、獲物を見つけると翼をすぼめて急降下し、足でけり落として捕らえる。断崖営巣。世界中に分布し、鷹狩りに用いられた。 冬》
ハヤブサ目ハヤブサ科ハヤブサ属の鳥の総称。日本にはチゴハヤブサ・チョウゲンボウなど7種が分布。
日本陸軍の単座戦闘機。制式名称は一式戦闘機。昭和13年(1938)初飛行。最高時速555キロ。
[補説]特別急行列車・小惑星探査機は別項。→はやぶさ

じゅん【隼】[漢字項目]

人名用漢字] [音]ジュン(慣) シュン(呉)(漢) [訓]はやぶさ
鳥の名。ハヤブサ。「鷹隼ようしゅん
[名のり]とし・はや・はやし
難読隼人はやと隼人はやひと隼人はいと

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精選版 日本国語大辞典 「隼」の意味・読み・例文・類語

はや‐ぶさ【隼】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ハヤブサ科の中形の鳥。全長雄三八、雌五一センチメートル前後。背面は暗灰色、下面は白または黄褐色で、灰黒色の横斑(よこふ)がある。あしは黄色。主として平原にすみ、飛行はきわめて早く、空中で鳥を捕食し、獲物をみつけると高空から急降下し、鋭い足でけって殺す。ほとんど全世界に分布し、日本には九、一〇月ころ全土に飛来するが、少数は北海道・本州・伊豆七島の海岸で繁殖している。日本・ヨーロッパで鷹狩に用い、カモ・キジなどを取らせる。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「破夜歩佐(ハヤブサ)は 天に上り 飛び翔り 斎(いつき)が上の 鷦鷯(さざき)取らさね」(出典:日本書紀(720)仁徳四〇年二月・歌謡)
  3. ハヤブサ科の鳥の総称。タカ目の中では中・小形の鳥で、日本では飛翔中に翼の先端がとがることで他のタカ目の鳥と区別される。主に空中で小鳥を襲うハヤブサ類、地上のネズミ類を襲うチョウゲンボウ類その他があり、ワシタカ科の鳥と違って自分では巣を作らず、岩棚や他の鳥の古巣に産卵する。約六〇種が全世界に分布し、日本では七種が見られる。
  4. 挙動がすばしこくて勇ましいこと。また、そのような動物や人。
    1. [初出の実例]「この矢を掴み、早ぶさにて下りて来り、逃げようとする」(出典:歌舞伎・貞操花鳥羽恋塚(1809)五立)
  5. 旧日本陸軍の一式戦闘機の通称。昭和一三年(一九三八)一二月初飛行。単発単座。最大時速五五五キロメートル、航続距離三〇〇〇キロメートル。

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普及版 字通 「隼」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 10画

[字音] シュン
[字訓] はやぶさ

[説文解字]

[字形] 象形
隹(とり)が足をすくめて迅(はや)く飛ぶ形。〔説文〕にみえず、〔玉〕に「鳩なり」とみえるが、はやぶさをいう。〔易、解、上六〕に「用(もっ)て隼を高の上に射る。之れをて利(よろ)しからざる无(な)し」とみえる。〔詩、小雅、采〕に「(いつ)たる彼の飛隼 其れ飛んで天に(いた)る」とあり、征役に臨んで鳥占(とりうら)をする俗があり、鳥が征役詩の発想に用いられることが多い。

[訓義]
1. はやぶさ。
2. じゅずかけばと。

[古辞書の訓]
名義抄〕隼 ハヤシ・ハヤブサ

[熟語]
隼尾・隼鷹
[下接語]
獲隼・鶚隼・孤隼・集隼・青隼・蒼隼・鳥隼・隼・飛隼・鷹隼

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「隼」の意味・わかりやすい解説


はやぶさ

日本陸軍の一式戦闘機。中島飛行機の設計,製作になり,引込脚をもった最初の戦闘機でもある。 1938年 12月に1号機が完成,1945年までに 5751機が生産された。これは陸軍機としては最も多く,陸海軍を合わせると零式艦上戦闘機に次ぐ大量生産となった。太平洋戦争初期はマレー半島上陸船団の援護,シンガポール攻略作戦,爆撃機の護衛などに威力を発揮,『加藤隼戦闘機』の歌にもうたわれた。その後,長航続性能をいかして太平洋,インド洋全域にわたって使用され,マレー半島からビルマ方面の制空権を手中にしたが,戦争末期になって敵戦闘機の能力が上がるにつれ劣速と貧弱な武装のために,250kg爆弾搭載の特攻機として使われることが多くなった。 II型はエンジンがハ-115 (1300馬力) 1,乗員1,全長 8.92m,総重量 2590kg,最大速度時速 515km,航続距離 2000km。武装は 12.7mm機関銃2,250kg爆弾2。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「隼」の意味・わかりやすい解説


はやぶさ

旧日本陸軍の一式戦闘機につけられた愛称。機体計画番号はキ43。中島飛行機(現在の富士重工業)で設計され、1号機は1938年(昭和13)12月に初飛行し、太平洋戦争における陸軍の主力戦闘機となった。単座、1150馬力発動機1基、最大速度555キロメートル/時、武装12.7ミリ機関銃2(三型)。生産数は5751機と陸軍機中で最高。軍神とうたわれた加藤建夫(たてお)少将を描いた映画『加藤隼戦闘隊』(1944)により広く名が知られている。隼は運動性が優れ、航続力の大きいのが特徴で、それを生かして緒戦には大きな働きを示したが、戦争後半には、速度がやや遅く、武装も貧弱なことが目だつようになり、第一線機としての地位を失った。特攻機として使われた数も多い。

[藤田勝啓]

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百科事典マイペディア 「隼」の意味・わかりやすい解説

隼【はやぶさ】

太平洋戦争中の旧日本陸軍の代表的戦闘機。1941年制式の一式戦闘機で,その性能は海軍のゼロ戦と併称された。設計は中島飛行機。2型で1150馬力,最高時速515km。生産機数5751機でゼロ戦に次ぐ。
→関連項目糸川英夫中島飛行機[株]

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「隼」の解説


はやぶさ

日本陸軍の一式戦闘機。1941年(昭和16,皇紀2601)に制式化された。総生産数は5750機以上であり陸軍機としては最多。中島飛行機製作。型式は単発・単座の低翼単葉陸上機で,全幅11.4m,全長8.9m,最高時速495km。太平洋戦争において爆撃機の護衛にあたり,加藤建夫中佐の率いた「加藤隼戦闘隊」の活躍で有名。

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デジタル大辞泉プラス 「隼」の解説

第2次世界大戦時の日本陸軍の戦闘機「一式戦闘機」の愛称。初飛行は1938年。二型の最高速度は時速515キロメートル。キ番号、キ43。第2次世界大戦中の帝国陸軍の主力戦闘機で、約5,700機が生産された。連合軍によるコードネームは「オスカー」。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「隼」の解説

隼 (ハヤブサ)

学名:Falco peregrinus
動物。ハヤブサ科の鳥

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